書ちくとぅばゆ復興さあに実践さな−インデックス  日本語版へ  トップページへ

はじみに

1.うちなあぐち観とぅうちなあぐち継承運動
2.言語が危機とぅなたる背景とぅ「沖縄学」
3.「方言どぅやみ言語ぅやみ」―けえふぎとおる歴史的見地
4.方言説とぅ言語説とぅぬ継承ぬ取い組み内容ぬ違えみ

5.戦後教育ぬ言語とぅ民族ぬ否定
6.戦後・復帰後ぬ「豊かさ」とぅ沖縄人ぬ物ぬ考え様ぬ変化
7.琉球民族名乗ゆる事ぬ意義−うかあさる単一民族主義んかい対抗
8.直ぐすばんかいあぬ書ちくとぅばとぅ表記法
9.組踊んでえぬうちなあぐちぬ伝統表記
10.話者人材や豊富―多面的活用さあに深みぬあぬ継承運動し行ちゃびら
11.うちなあぐち人材ぬ多様性ぬ意義
12.「うちなあぐち継承支援条例」ぬ必要性
13.話者世代やれえ誰やてぃんないる実践−まる平生使ゆる事
14.話者世代やれえ誰やてぃんないる実践―散文書ちゅる事
15.望まっとおる散文活動ぬ強化
16.うちなあぐちぬ居場所―日本語とぅぬ住みい分あきい
17.うちなあぐちとぅ標準語―マスター語
とぅずみに
注:漢音のルビについて
注釈一覧


書ちくとぅばゆ復興さあに実践さな

比嘉清

2010/4/28

はじみに

くぬ拙論(しちるん)や、よういいふぃ(ぐぁあ)、うちなあぐち散文なかいすぬ言論(ぎんるん)活動(くぁちどう)そをる一人(ちゅい)とぅし、うちなあぐちぬ継承(きいしゅう)運動(うんどう)(くとぅ)にちいてぃ、(どぅう)(かんげ)えうんぬきらなんでぃ(うみ)てぃ書ちぇえるむぬやん。

(わん)ねえ、(ちに)からうちなあぐちえ、言語(ぎんぐ)どぅやるんでぃちぬ考えやあに、言語がむてえい(さけ)えいし行ちゅる(たみ)ねえ、書ちくとぅば(書記(しゅち)言語(ぎんぐ))が、いちゃっさ大切(てえしち)やがんでぃゆる事、あんしまた、沖縄人(うちなあんちゅ)ぬうちなあぐちんかい(てえ)する(うみ)いとぅかぬ考え(よう)が書ちくとぅばぬ有様(ありさま)また継承運動んかい、ちゃぬ風儀(ふうじい)し、(くぁん)(きい)し行ちゅがんでぃぬゆる事にちいてぃ、うんぬきらなんでぃ(うむ)とおん。

 

1.うちなあぐち観とぅうちなあぐち継承運動

うちなあぐち(琉球語(るうちゅうぐ))継承運動ぬ内容(みい)や、沖縄人ぬうちなあぐち(くぁん)にゆてぃどぅ()わみらりいるむのおあらんがやあでぃち考えゆん。

(なま)ぬ沖縄人ぬうちなあぐち観や、2006(にん)んじ県議(きんぎ)(くぁい)うとおてぃ定みらったる「しまくとぅばの日」条例(じゅうりい)んかい表わりとおる(とぅう)いやんでぃ(うま)ありいん。条例や、「普及の促進を図るため」ねえ「しまくとぅばの日を設ける」(第一条)んでぃ言ちゃるぬうっぴどぅやる。事業(じじょう)内容(ねえゆう)にちいてぃん、「その日を中心としてしまくとぅばの普及促進のための事業を行う」(第三条)でぃぬ条文()じゅる(かじ)り、ただぬ(むゆう)しむんそおなむぬんかいけえなてえ(をぅ)らんがやあんでぃ思ありいん。「しまくとぅば」んでぃぬ呼称(くしゅう)ん、(ぬう)(ちけ)えぬ()えらんねえし()きらっとおんねえそおん。「方言(ふうぎん)」ぬんあらな、「言語(ぎんぐ)」んでぃぬ意味んあらん。地域(ちいち)ぬかあじ、物言(むに)いぬ(ちが)とおる事どぅやがやあ。条例ぬ事にちいてえ、沖縄ぬ()とぅくるぬ新聞社(しんぶんしゃ)(とぅ)(あちけ)えん()ぎくん()えらんあい、解説(くぁいしち)教育(ちょういく)委員会(いいんくぁい)反応(はんぬう)ん無えらんたん。

ただ、第一条(でえいちじゅう)んじ、「本県文化の基層であり、(略)次世代へ継承していくことが重要である」んでぃち言ちょおる事お、歴史的(りしちてぃち)ねえ意味ぬあん。県や、廃藩(へえはん)置県(ちきん)から(あとぅ)ぬ「標準語(ひゅうじゅんぐ)励行(りいこう)運動(うんどう)」にちいてぃ、(ちゅ)けぬんちょおん、釈明(しゃくみい)せえ()うんたん。

また、うちなあぐちゆ方言でぃちる考えゆみ、あらんでえ言語でぃちる考えゆみんでぃぬ事にゆてぃん、継承運動ぬ内容や、()ぎさ変わてぃ()ゅうい、(けえ)てえ、あらがあいがすらあん分からん。うちなあぐち観や、書ちくとぅばぬしい(よう)んかい(ちゅう)(ぢゅう)うとぅ表わりゆん。音声(うんしい)言語ぬままやる方言や、(じゅん)ねえ、書ちくとぅばあ要用(いりゆう)無えらん。やしが、言語てぃらむのお、大概(てえげえ)や、歴史的に様式化(ゆうしちか)さっとおる書ちくとぅば()っちょおん[1]。書ちくとぅばぬる、うちなあぐち、生ち(けえ)らするむんやんでぃ(うま)ありいん。うちなあぐち継承運動がしいびちいやしえ、世界(しけ)んかい通用(つうゆう)すぬ言論活動ぬ手段(てぃだん)とぅさあい使(ちか)ありいんねえし、書ちくとぅばゆ復興(ふっくう)確立(くぁくりち)すぬ(ぐとぅ)目指(みざ)しわるやいびいる。

沖縄人ぬうちなあぐち観や歴史んかいうぬ(にい)ぐいぬあん。(どぅう)なあたあぬ歴史、ちゃぬ風儀(ふうじ)し、考えゆがんでぃゆる事がる民族(みんずく)意識作(いしちちゅく)てぃ、あんしまた、うちなあぐち観とぅなてぃ表わりゆる。やしが、沖縄人お、琉球(るうちゅう)ぬ歴史ゆ教育方針(ふうしん)とぅすぬ事んかい肝入(ちむい)りてえ(をぅ)らん。()が沖縄人お、うちなあぐち観()える事ぬないがやあ。

 

2.言語が危機とぅなたる背景とぅ「沖縄学」

 今年(くとぅし)2月(にんぐぁち)、ユネスコや、琉球語(るうちゅうぐ)危機(ちち)言語(ぎんぐ)やんでぃち(あちけ)えゆる(くとぅ)にさん。うぬ事から(たあ)ちぬ事ぬ分かゆん。(てぃい)ちえ、うちなあぐちえ、国際的(くくせえてぃち)ねえ言語(ぎんぐ)とぅさあい(かんげ)えらっとおんでぃゆる事やん。二ちえ、沖縄人(うちなあんちゅ)がうちなあぐち使(ちか)あらんなてぃ()ょおる事、国際(くくせえ)機関(ちかん)認知(にんち)さんでぃぬ事やん。

うちなあぐちえ、(なあ)だ、()じい易っさる環境(くぁんちょう)んかいあん。むし、50代後半(くうはん)地域(ちいち)にゆてえ40代)から(ゐい)ぬ人んちゃあや話者(わしゃ)やんでぃしいや、(なま)ぬ沖縄ぬ人口比(じんくうひ)から、いきらく()むてぃん、話者ぬ(かじ)え、25万人(くぃい)ゆる(はじ)やん。また、「おもろ(うむる)()うし」、「組踊(くみをぅどぅい)」、「琉歌(るうか)」、「民謡(ふぁあうた)」、「沖縄(うちなあ)芝居(しばい)」んでえんかい(ぬく)さっとおる言語資料(しりゅう)十分(じゅうぶん)あん。またなあふぃん、ましやる事お、まる平生(ふぃいじい)ん、うちなあぐち使(ちか)とおる地域とぅか人んちゃあが、(なま)ちきてぃ(をぅ)る事やん。散文さあにさっとおる言論(ぎんるん)活動(くぁちどう)創作(すうさく)とぅか翻訳(ふんやく)んでえ)(までぃ)あん。

やしえやしが、沖縄人お、伊波普猷ぬ琉球語ぬ消滅(しゅうみち)予言(ゆぎん)[2](あとぅ)からあ、「危機(ちち)言語(ぎんぐ)」んでぃゆる言葉(くとぅば)んかい、けえ慣りやい、(ぬう)(うま)あんなとおん。伊波あ、大概(てえげえ)ぬ沖縄人ぬ(なあ)だ、琉球語ぬ話者やたる1940(にん)(ぐる)[3]、琉球語ぬ消滅予想(ゆすう)さがなあん、うちなあぐち(ちゅう)(せえ)すぬ事にちいてえ(ぬう)んさんたん。琉球語(うみ)がなさすぬ(ちむ)とぅ「消滅ぬ危機」んかい(てえ)するふぃずる肝、()ちょおたる風儀(ふうじ)やん。あんそおる事が、うぬ後ぬ「沖縄学(うちなあぐぁく)」ぬ源流(ぎんるう)とぅなたるしいじやん。沖縄人が「沖縄学ぬ父」から受ち()じゃしえ、「生ちちょおる琉球語」やあらな、「死語(しぐ)想定(すうてぃい)ぬ琉球語」どぅやたる。くんな(ゆい)に、琉球語や、ただ解説(くぁいしち)すぬうっぴし()まさりいるむんとぅけえなやい、使(ちか)ゆる言葉(くとぅば)とぅせえ、扱えららんたん。戦後(いくさあとぅ)方言(ふうぎん)禁止(ちんし)運動ぬ万事(ばんじ)、外間守善編ぬ『沖縄の言語史』んかいあぬ「琉球方言文献・資料目録」()じゅる(かじ)り、内外(ねえぐぁい)研究者(きんちゅうしゃ)にゆてぃ、1947〜1970年ぬ(ゑえだ)なかい発刊(はっくぁん)また発表(はっぴゅう)さっとおる琉球語解説書(くぁいしちしゅ)とぅか論文(るんぶん)でえや、400(くぃい)いゆしが、本格的(ふんかくてぃち)なうちなあぐち散文なかいすぬ作品(さくひ)のお、とぅめえららん。「泊阿嘉(とぅまいああかあ)」(我如古弥栄作、1911年)んでえ、(うとぅ)ぬ立っちょおる芝居脚本(ちゃくふん)ぬんちょおん資料目録(むくるく)んかい()えらんどぅあくとぅ、うん(ぐと)おるむんやリストアップさってえ居らんがあらん分からん。散文活動や「正統派(しいとぅうは)」んでぃちえ、思あってえ無えらんどぅあがやあ。

方言禁止(ちんし)運動そおたる沖縄ぬ教育(ちょういく)(くぁい)にとぅてえ、伊波ぬ消滅予言や(ちむ)いし(どぅくる)とぅなやい、(ぜえ)(あく)(くぁん)()ゃあするむんとぅなとおたんでぃ言ちん()むん。

 やくとぅ、伊波から(はじ)またる「沖縄学」ぬ()がなゆるうちなあぐちぬ継承運動や、()しとぅすしぬ、ああきとおん。「伊波学」にとぅてえ、「消滅予定(ゆてぃい)」ぬうちなあぐちえ、なあ、解説(くぁいしち)びけんしいねえうっさし()むる言語どぅやい、実践(じっしん)(言論活動)しいびちいやる言語とぅしえ考えらってえ居らん。あんすくとぅ、「沖縄学」ぬ考え、()っちすぬ「継承運動」んでぃしえ成い立たん(はじ)やん。

 

3.「方言どぅやみ言語ぅやみ」―けえふぎとおる歴史的見地

本土(やまとぅ)うとおてえ、方言とぅ中央語(ちゅうううぐ)標準語(ひゅうじゅんぐ))とぅぬ(ちげ)えみえ、大概や、ようい(くう)てん(ぐぁあ)どぅやしが、日本(にふん)標準語(ひゅうじゅんぐ)とぅうちなあぐちぬ(ちげ)えみえ、(つう)じらんあたい()ぎさん。やしが、うちなあぐちえ、いいくる「方言どぅやみ言語どぅやみ」んでぃち議論(じるん)さっとおん。「方言呼称(くしゅう)」や、明治期(みいじち)んじ当局(とぅうちく)使(ちか)とおたる「標準語励行(りいこう)運動」んでぃぬ語句(ぐく)ぬ「標準語」ぬ対語(ちいぐ)とぅあさあい使あり(はじ)みらったるむんなやい、(はじ)めえ琉球語や「方言」でぃちえあらな、「言語[4]」んでぃちぬ呼称さっとおたる。伊波普猷が(どぅう)編書(ひんしゅ)『琉球戯曲集』んじ言ちゃる「国語は民族の呼吸である」んかいあぬ「国語」んでえ、「自国語」(同書(どぅうしゅ))言いどぅんせえ琉球語(るうちゅうぐ)(くとぅ)どぅやたしが、後々(あとぅあとぅ)なたれえ、大概(てえげえ)沖縄(うちなあ)(むる)(かんげ)えとぅ合あすんねえし、「日本の方言としても、日本方言と対立する大方言」(『南島方言考』)どぅやるんでいちゃあに、日本語(にふんぐ)方言(ふうぎん)やんでぃち(かんげ)(のお)ちゃん。

「方言どぅやみ言語どぅやみ」んでぃぬ議論(じるん)ぬいふうなあやる(とぅくる)んでぃ言いねえ、琉球ぬ歴史(りちし)(くと)お、(びち)とぅし考えらっとおる(くとぅ)やん。()()じいねえ、何時(いち)(みい)がやらあぬ土着語(どぅちゃくぐ)(琉球語)にちいてぃ、まあまでぃん、言語学的(ぎんぐぐぁくてぃち)感覚(くぁんくぁく)さあい考えらんでぃるさっとおる。方言や、話しくとぅばどぅやる。基本的(ちふんてぃち)ねえ文字(むじ)()すぬ事んさってえ()らな、言語とぅしちぬ(たむ)ちん悪っさん。地理的(ちいてぃち)位置(いち)んでえが(かび)とぅなやい、(とぅち)とぅ(とぅむ)(ふか)ぬ方言とぅぬ違えみぬ()ぎくなてぃ行ちゅる事にゆてぃ、通じらんないや、言語なゆんでぃぬ法則(ふうすく)んあれえ、議論やさんてぃん()むぬ(はじ)やしが、(じゅん)ねえ政治(しいじ)(てぃち)考えとぅか民族(みんずく)意識(いしち)んでえぬまちぶいかあぶいし、議論やあちらん(めえ)んかい(しし)まん。

やしが、歴史的(りちしてぃち)事実(じじち)や、ちゃぬゆうな反対(はんてえ)意見(いちん)ぬん(ゆる)さん。琉球とぅ日本ぬ交流(くうるう)(くぁい)貿易(ぶういち))や、弥生(やゆい)()んじんあたしが、やくとぅんでぃち、うぬ事お琉球や日本やたんでぃ言る事んかいやならん。古代(くでえ)ヤマト政権(しいちん)国土(くくどぅ)統一(とぅういち)(たみ)、琉球んかい()みてぃ()ゃんでぃぬ史料(しりゅう)伝承(でぃんしゅう)()えらん。律令制(りちりゅうしい)んかい組み()まりいる事ん無えらな、中国(ちゅうぐく)とお冊封(さっぷう)関係(くぁんきい)とぅなとおたん。明治(みいじ)5年(ぐにん)んじ藩体制(はんてえしい)んかい組み込まりいるまでえ、琉球や、(はじ)みからうんにいまでぃ独立国(どぅくりちくく)どぅやたる。あんし、琉球語や一言語やんでぃち内外(ねえぐぁい)んじ考えらっとおたん。幕末(ばくまち)から明治(みいじ)までぃなかい来琉(れえるう)また滞在(てえぜえ)そおたるクリッフォード、ベッテルハイム、フォーカード、チェンバレン((むる)英国人(いいくくじん))たあや、琉球語や日本語とお(びち)ぬ言語とぅしち研究(きんちゅう)さあに、著書(ちゅしゅ)ん書ち(ぬく)ちゃん。「おもろ(うむる)()うし」ぬ編纂(ひんさん)や、国ぬ事業(じじょう)とぅさあに、さってぃ、「(くみ)(をどぅい)()んじえ、書ちくとぅばまでぃ成やい、琉球語なかいすぬ言論活動ぬ(うくな)わりとおたん。琉球語が言語やたる事お、歴史的事実(じじち)どぅやる。

琉球語や、如何(ちゃ)風儀(ふうじい)し、成てぃちゃるむんやがやあ。本土方言とぅ琉球方言が日本語祖語(すぐ)[5]から分かりてぃちゃんでぃ考えゆる国語学(くくぐぐぁく)ぬ「定説(てぃいしち)」ぬあん。日本祖語や、弥生式(やゆいしち)文化(ぶんくぁ)()っちょおたる(ちゅ)んちゃあが持ち込だんでぃち考えらっとおしが、うぬ(あとぅ)倭国(わくく)大乱(てえらん)[6]んでえ、(ぬう)がなぬ事変(じひん)ぬひょうしなかい琉球(るうちゅう)()んかいん入っち()ゃる(はじ)。琉球語ぬ成てぃちゃる行成(いちない)大概(てえげえ)や次ぬ(ぐと)お、あらんがやあんでぃ(うま)ありいん。

縄文世(じゅうむんゆう)ぬ琉球弧んかい、()じえ日本祖語ぬ、うぬ(あとぅ)アマミ(ずく)[7](アマミキヨ)ぬくとぅばぬ、またうぬ後お、(ぬう)がなぬ都合(ちごう)ぬあやい、琉球んかい(ふぃ)んぎてぃちゃる(ちゅ)んちゃあ[8]にゆてぃ奈良(なら)平安(ひいあん)世ぬ雅くとぅばぬ、薩摩(やまとぅ、さちま)侵略(しんりゃく)支配(しへえ)にゆてぃ南九州語(ふぇえちゅうしゅうぐ)ぬ、またなふぃのお、近代(ちんでえ)んじえ王府(おうふ)(をぅどぅい)奉行(ぶじょう)玉城(たまぐしく)朝薫はじみ組踊(くみをぅどぅい)作家(さっくぁ)たあにゆてぃ江戸(いどぅ)語ぬ持ち込まりやい、(なま)ねえぬ時空(じくう)混合(くんぐう)[9]ぬ琉球語ぬ成てぃちゃるむのおあらんがやあ。

本土(やまとぅ)んじえ、戦乱(しんらん)物流(ぶちるう)参勤(さんちん)交代制(くうてえしい)んでえにゆてぃ、なあめえめえぬ民族語(みんずくぐ)ぬ混んちゃあなてぃ行じゃるむんやしが、琉球語(るうちゅうぐ)や、上述(じゅうじゅち)(ぐとぅ)、幾けんぬ日本語(にふんぐ)大波被(うふなみかん)じいがちいん、本土語(やまとぅぐち)やかや、いふぃどぅ混んちょおい、うちなあぐちくるぬ母音(ぶいん)使(ぢけ)えんでえ文法(ぶんぷう)(まむ)とおん。近頃(ちかぐる)ぬGm(ガンマグロブリン・マーカ)血液型(ちいがた)遺伝子(いでぃんし)[10]研究(きんちゅう)からん沖縄人(うちなあんちゅ)お、渡来(とぅれえ)弥生人(やゆいじん)とぅぬ混血(くんきち)(しし)まな、縄文(じゅうむん)(じん)直系(ちょっきい)やいがすらん分からんでぃ言ゃっとおん。

オランダ語や、言語学(ぎんぐぐぁく)分類上(ぶんるいじゅう)や、ドイツ語ぬ一方言(いちふうぎん)やん。やしが、1600(にん)まんぐる、聖書(しいしゅ)ぬオランダ語(ホラント地方ぬ方言が中心(ちゅうしん))訳(ちゅく)やい、書ちくとぅば()っちゅんねえなてぃからあ言語とぅなたんでぃぬ(くとぅ)やん。言語学(てぃち)ねえ(たげ)え方言やる西欧語(しいゆうぐ)感覚(くぁんかく)からあ、琉球語や、うぬ歴史(りちし)とぅ実態(じってえ)、考いねえ、「方言」とぅせえ、じょうい(あち)けえららんたる(はじ)

「方言」呼称(くしゅう)や、沖縄人にとぅてぃ「うちなあぐちぬ代名詞(でえみいし)」とぅけえなたん。比較論(ひかくるん)でえぬ理屈(でぃくち)()っちょおる言語学的見地(きんち)からあ、方言論(ふうぎんるん)や、説得力(しっとぅくりゅく)ぬ有るむんやしえやしが、歴史とぅか言語とぅ民族(みんずく)関係(くぁんきい)や、ちゃあ成とおがんでぃゆる(くとぅ)までえ、()ちぇえ(をぅ)らん。うちなあぐちえ()いてぃまでぃ方言やんでぃち(かんげ)えらんでえならん(わき)とぅし、沖縄人お、「日本人(にふんじん)あらんでえならん」んでぃゆる政治的(しいじてぃち)考えからがやら、「日本人やい()しゃん」んでぃゆる(ぬず)みからがやら、またあらんでえ、うぬ(たあ)ちぬ混んちゃあなとおる考えからがやら。

(ぬう)やかん、方言(しち)ぬばあや、本当(ふんとう)ぬうちあぐちぬ分からんないるびけのおあらん。継承(きいしゅう)すぬ(たみ)(とぅ)い組みぬ内容(みい)や「方言」とぅしちぬ内容んかい()()みらんでぃさあに、しいびちいやる事ん、しいゆうさんようい(をぅ)ん。うん(ぐと)おる事が継承運動(うんどう)停滞(てぃいてえ)しみとおる(わき)とぅなてえ居らんがやあ。

 

4.方言説とぅ言語説とぅぬ継承ぬ取い組み内容ぬ違えみ

 方言やんでぃち(かんげ)えてぃん、言語んでいち考えてぃん、「くとぅば」あ、()ぬむんどぅやくとぅ、継承しい道え(ぬう)ん変わらのおあらにでぃち()る人ん居ん。

知らっとおる(とぅう)い、うちなあぐちぬ継承問題(むんでえ)や、「(をぅや)から(くぁ)んかい」んでぃゆる言語ぬ継承ぬしい道ぬけえ(くう)りとおる為なかいどぅ問題成とおるむんやる。「親から子んかい」んでぃゆる継承ぬしい道え、まる平生(ふぃいじい)生活(しいくぁち)(なあか)うとおてぃ無意識(むいしち)にさりいるむんやしが、(びち)ぬしい道やれえ、生活とお(びち)(とぅくる)うとおてぃ、時間(ちゅく)やい、かわとおるしい道なかい、意図的(いとぅてぃち)(うくな)わりいんねえ考えらんでえならん。言いどぅんせえ、うちなあぐちえ、丁度(ちょうどぅ)外国語(ぐぁいくくぐ)習ゆんねえし、教授(ちょうじゅ)すぬしい道(つく)らんでえならん。いいくる、音楽(うんぐぁく)教育(ちょういく)すぬばあに楽譜(ぐぁくふ)要用(いりゆう)やんねえし、言語教育うとおてぃん様式化(ゆうしちくぁ)さっとおる書ちくとぅばぬ要用(いりゆう)やん。音楽(うんぐぁく)楽譜(ぐぁくふ)とぅか言語ぬ書ちくとぅばあ、くとぅばぬ、けえ違たいすぬ事(ふし)じゅる役目(やくみ)ぬあん。うりかあがうちなあぐち書ちくとぅば再興(せえくう)しみらんでえならん理由(わき)とぅなとおるむぬやん。

書ちくとぅばあ、(てぃい)ちぬ民族、また国んじえ「中央語(ちゅうううぐ)」くうとぅ持っちぇえ居らな、地域語(ちいちぐ)下層(くぁそう)ぬ方言)ぬ場合(ばあ)や、様式化んさってえ()うんたん。(たとぅ)れえ、大阪弁(ううざかびん)や様式化さっとおる書ちくとぅば持っちょおるわけえあらんくとぅ、大阪弁さあに書かっとおる文章ぬあてぃん、使(ちけ)え道ぬ(かじ)らっとおる「表音(ひゅううん)書き」どぅやる。

うちなあぐちゆ方言(ふうぎん)でぃち(かんげ)えゆるむんやれえ、うぬ表記法(ひゅうちふう)や、ただ継承(きいしゅう)教育(ちょういく)んでぃゆる目的(むくてぃち)(たみ)びけえんぬ「表音書ち」し、ちゅふぁあらやい、文学(ぶんぐぁく)作品(さくひん)創作(すうさく)すぬ(くとぅ)までえ考えらってえ(をぅ)らん。言語(ぎんぐ)とぅさあい考えゆるむんどぅんやれえ、言語ぬ(ちら)とぅしち、また(ちん)とぅしち、世界(しけ)んじ通用(つうよう)すぬふぃっぱい書ちくとぅばとぅさあに立てぃ行かんでえならんでぃ(うみ)ゆん。書ちくとぅばゆ衣ぬんかい(たとぅ)ゆるむんどぅんやれえ、方言(しち)ぬ衣や、ただ()らりいる衣やれえ()むい、他所(ゆす)んかい行ちゅる晴着(うわあじ)とぅさあに(世界んかい()しゆる創作活動とぅしち)着ち行かりいみんでぃ言る事までえ考えらってえ居らん。

うん(ぐとぅ)うし、うちなあぐちえ方言どぅやみ、言語どぅやみんでぃぬ考え(よう)にゆてぃ、継承運動(うんどう)(とぅ)い組みぬ内容(みい)()わまゆん。うぬ大概(てえげえ)ぬ違えみ、下表(かひゅう)んかいまとぅみてぃ()ちゃん。

 

方言説とぅ言語説とぅぬ目標んでえぬ違えみ

 

方言説

言語説

文法

 

ちゃんとぅそおる文法論持っちゅん。

創作活動

詩歌、民謡んでえ。

詩歌、民謡、小説、論文んでえ。

文章表記法

話しくとぅばぬただぬ「表音書ち」。

ちゃんとぅそおる日本語式(伝統表記《組踊式》口語音んかい直ち)。

書ちくとぅば

(書記言語)

音韻表記びけえしえ様式化(固定化)あ、成いぐりさん。

音韻ぬ事ん考えがちい様式化すん。あるっさぬ分野ぬ表現ないる如すん。

(じゅん)ねえ、上表(じゅうひゅう)(とぅう)いや分きららん。(とぅ)い組み内容(ねえよう)とぅか目標(むくひゅう)や、活動家(くぁちどうくぁ)如何(ちゃ)ぬあたい、うちなあぐち、成いがんでぃゆる事にゆてぃん違てぃ()ゅうる(はじ)やくとぅやん。公的(くうてぃち)措置(すち)にん違えみぬあら(はじ)やん。言語やるばあや、公的に認知(にんち)さりいるむんどぅんやれえ、保護(ふぐ)とぅか復興措置さんでえならん対象(てえしゅう)とぅないぬ筈やしが、方言とぅしち考えらっとおるむんどぅんやれえ、本土(やまとぅ)ぬあまくまぬ方言とぅ()(あちけ)さんでえならんあい、公的措置や(むちか)さるむんとぅないる筈やん。

知識人(ちしちじん)とぅ一般人(いっぱんじん)とぅん、うちなあぐちんかい(てえ)する考え様や違ゆん。方言説(ふうぎんしち)やらわん言語説(ぎんぐしち)やらわん、知識人ぬばあや、実践(じっしん)やか大概(てえげえ)解説(くぁいしち)ぬ事びけえどぅさんでぃすい、一般人ぬばあや、解説やか実践さんでぃすぬ肝持(ちむむ)ちょおん。普及(ふちゅう)団体(だんてえ)うとおてえ、積極的(しっちゅくてぃち)やらわん、消極的(しゅうちゅくてぃち)やらわん、うん如おる役割(やくわい)割賦(わっぷう)ねえそおるむんぬあん。言語解説・研究(きんちゅう)すぬ(ちゅ)んちゃあとぅ実践すぬ人んちゃあとお、(じゅん)ねえ、次元(じぎん)ぬ違ゆるむんどぅやしがる。歴史的(りちしてぃち)ねえ、言語発展(はってぃん)しみてぃ()ゃしえ、言論活動(実践)どぅやたる。近代(ちんでえ)なたれえ、知識とぅ実践が(てぃい)ちゃあけえけえ成とおるむんやしが、うちなあぐちぬ如うし、(なま)ちきてぃ使(ちか)あらっとるばあや、ふんとうや、実践優先(ゆうしん)するがる自然(しじん)やる。話者数ぬでえじないきらくなやい危機的(ちちてぃち)状況(じゅうちょう)やるばあや、当たい(めえ)(くとぅ)とぅし、言語学(ぎんぐぐぁく)んでぃゆる「医者」んかい掛かてぃん()むん。

言語や、書ちくとぅば持っちどぅ当たい前やる[11]んでぃち、我ねえ考えとおるむんやしが、うちなあぐちぬばあや、方言説派やてぃん散文ぬんかい、すうみぬあがやあんでぃ(うみ)いねえ、言語説派やてぃん、散文ぬんかい、すうみ()えらん人ん居ん。方言とぅ言語ぬ論理的(るんりてぃち)違えみぬ分かてえ居らんでぃ()しやか、(どぅう)(かんげ)えん、()しらっとおんでぃち考えらな。

 

5.戦後教育ぬ言語とぅ民族ぬ否定

戦後(いくさあとぅ)米軍(びいぐん)収容所(しゅうゆうじゅ)から(むどぅ)てぃ()ゃる沖縄人(うちなあんちゅ)お、けえ(くう)さったる家田畑(やあたはた)()ち、(ちむ)ん肝ならんたる(はじ)やん。学校(ぐぁっこう)びけんや、(わらん)んちゃあにとぅてぃ、(ちむ)うらあき(どぅくる)んやい、肝加勢(がしい)ないる所やたる筈やん。やしが、生徒(しいとぅ)ちゃあや、目外(みいは)んだあけえなたん。「学校んじえ方言(ふうぎ)のお使(ちか)てえならん」んでいち()びらったんるむんやん。「()(ぬう)んでいち」んでぃち、(うむ)とおたる(わらん)んちゃあんかい、先生(しんしい)たあや「方言や、やなくとぅば」どぅやい、「不良(ふりゅう)[12]使(ちか)ゆるくとぅば」やくとぅんでぃち、習あちゃん。言語ぬ否定(ひてぃい)や、民族(みんずく)ぬ否定とぅないるぬむんやん。地域(ちいち)にゆてえ、学外(ぐぁくぐぁい)んじん、童んちゃあぬくとぅば使え、監視(くぁんし)すぬ婦人会(ふじんくぁい)までぃあたん。

戦後んじぬ民族語(みんずくぐ)排斥(へえしち)運動(うんどう)が当たい(めえ)(くとぅ)ねえし(しし)みらってぃ()ゃしえ、沖縄治(うちなあうさ)みとおたるアメリカ軍が沖縄、日本(にふん)から()(あか)さんでぃすぬ政策(しいさく)ぬあたる事ん言ちょおかんでえならさに。うんにいぬ沖縄ぬ教育界(ちょういくくぁい)や、うん(ぐと)おるアメリカぬ政策が沖縄永続(いいずく)支配(しへえ)しみゆる(くとぅ)んかいならんがやあんでぃ、うじいとおたるむぬやん。うんな事が戦後ぬ「方言禁止(ちんし)」運動ぬ(わき)(てぃい)ちとぅなとおたん。うりかあが皇民(くうみん)(くぁ)政策とぅさあに、(うくな)わりとおたる戦前(いくさめえ)ぬ民族語排斥策ぬ訳[13]とお、あい変わとおるしいじやたん。皇民化んでぃゆる考えしえ、しいなしゆうさんたる民族語撲滅(ぶくみち)や、復帰(ふっち)運動(うんどう)んでぃゆる反米(はんびい)運動とぅ民族ぬ死活(しくぁち)問題(むんでえ)[14]、絡みゆる事にゆてぃ、()ぎく「前進(じんしん)」さんでぃち考えらりいん。

 

6.戦後・復帰後ぬ「豊かさ」とぅ沖縄人ぬ物ぬ考え様ぬ変化

 米軍統治(とぅうち)んかい(てえ)する抵抗(てぃいくう)運動とぅしちぬ日本(にふん)復帰(ふっち)運動組織(すしち)すぬ政治(しいじ)力持(りゅくむ)っちょおたる沖縄人お、復帰(あとぅ)や、ちゅうちゃん結束(きっすく)力失(りゅくうし)たん。県民(きんみん)価値(くぁち)(くぁん)多様化(たゆうか)さんでぃぬ論調(るんちょう)んあしが、琉球人(るうちゅうじん)(むぬ)ぬ考え(よう)や、(んかし)から多様[15]やたん。復帰運動ぬ(なか)らぐるまでえ復帰んかい反対(はんてえ)[16]すぬ(ちゅ)んちゃあ(をぅ)たん。(けえ)てえ、日本復帰んでぃゆる価値観し、(まとぅ)まとおたる人んちゃあが、けえ分っきやあに、前ぬ多様性(たゆうしい)んかい(むどぅ)たるばすどぅやる。

 復帰運動うみはまてぃぬ後ぬうじゅみ、いがろうや、民族語ぬ()じい道失(みちうし)たん。失たるむぬお、うりびけえやあらん。戦終(いくさう)わてぃ(ちゃあき)きぬ一時(いっとちゃ)あ、沖縄ぬ農民(ぬうみん)や、(どぅう)なあくる復興(ふっくう)しい(はじ)みたん。焼ち禿ぎ(もう)(むとぅ)ぬちゅら田畑んかい(ちゅく)てぃ()じゃん。(もう)、あむとぅ、畑道(はるみち)んでえぬ草あ、だてん刈い(とぅ)らってぃ、山羊(ふぃいざあ)んでえ(んま)んでえぬ(はみ)とぅなたん。残飯(ざんぱん)(うわあ)んかい(くぃ)らってぃ、糞尿(ふんにゅう)んでえや、(はたき)肥料(くぇえ)とぅなたん。ゴミ収集車(しゅうしゅうしゃ)()うな、エコ社会(しゃくぁい)んやたん。

田畑ゆ基地(ちち)とぅさあに米軍なかい(ぼう)らったる農民たあん、また(どぅう)なあくるし復興うみはまとおたる農民たあまでぃん、現金(ぎんちん)収入(しゅうにゅう)ちむてぃ基地(ちち)建設(きんしち)んでえぬ軍作業(ぐんさじょう)んかい行ちゅんねえなたん。貨幣(くぁひい)B(いん)軍票(ぐんぴゅう))からドルんかい替えらったる1958年後(にんあとぅ)からあ、アメリカ資本(しふん)ぬん入っちちゃあに、米国(びいくく)から値安(でえやし)物資(ぶっし)ぬ入っちちゃん。自給(じちゅう)自足(じすく)そおたる沖縄人ぬ米国産(アミリカむん)穀物(くくむち)んでえ、()うてぃすぬ立てぃじゅくすんねえ、けえなたん。沖縄(うちなあ)社会(しゃくぁい)や、一時(いっとぅちゃ)(ゑえだ)なかい、ちゅうちゃん、けえ変わやい、王朝世(おうちょうゆう)からむとぅうちょおたる自立(じりち)経済(きいぜえ)(うし)わりたん。戦前(いくさめえ)貧相(ふぃんすう)とぅ(くな)びいねえ「豊か」んかい成たしが、沖縄や、(なま)ちきてぃ、最貧県(せえひんきん)どぅやい、失業率(しちじゅうりち)や8%まんぐるなてぃ全国一(じんくくいち)高さん。「豊か」んかいなたるい沖縄人お、(どぅう)なあたあ価値(かち)観迄(くぁんまでぃ)、けえ()えてえ(をぅ)らんがやあ。

うちなあぐちぬ継承(きいしゅう)にちいてえ、()いてぃまでぃさんでえならん課題(くぁでえ)とおなてえ()えらんでぃん(うま)まありいん。やしが、うり「豊かさ」(ゆい)んでぃち(かんげ)えゆしえ、(じゅん)ねえあらん。沖縄人お、(ぐぁ)(こう)んでえんじ、「うちなあぐちえ()なむんやん」でぃち習あさったる考え、(なま)ちきてぃ()っちょおん。(かわ)てぃ、「うちなあぐちえ、書ちゅくとぅばとぅせえ成らん」んでぃゆる考えや、一般人(いっぱんじん)から知識人(ちしちじん)までぃ「当たい(めえ)(くとぅ)」とぅし、考えらっとおん。うんな考え、うっちゃん()ぎらすんねえし習あすしん継承運動ぬ(てぃい)ちんでぃち考えびちいやあらに。(さち)に言ちゃる(とぅう)い、書ちくとぅばあ、言語(ぐんぐ)(ちら)やい衣装(ちん)やん。むしか現在(なま)ぬ継承運動ぬんちょおん、うちなあぐち、すがらする事ぬならんどぅんあれえ、沖縄人ぬ(うふ)くお、継承活動から、ゆくん(はな)りてぃ行ちいがすらあん分からん。うちなあぐち()びゆうする世代(しでえ)ぬうちなあぐち(うみ)がなさすぬ(ちむ)ぬ今ちきてぃ有しえ、うちなあぐちが如何(ちゃ)(ゆう)姿(しがた)し、居らわん、(かま)あんでぃぬ肉親愛(にくしんええ)ねえそおるむんやくとぅるやる。

(ぬう)やらわん、継承運動んかい(かが)なてえ(をぅ)らな、また(むぬ)()らん多くぬ(ちゅ)んちゃあが現在(なま)(とぅ)い組み(ねえ)(よう)消極的(しゅうちゅくてぃち)にん(みとぅ)みてぃが居らあ、あねえあらんがあらあ知らんでえならん。

アンケートししいねえ分かゆる事おやしが、回答者(くぁいとぅうしゃ)ぬうちなあぐちにちいてぃ、如何(ちゃ)ぬゆうなイメージさあに、また、イメージしみらっとおがんでぃゆる事にゆてぃ、調査(ちゅうさ)結果(きっか)や、()ぎく変わてぃ()ゅうん。うぬ(たみ)実施(じっし)さあや、(どぅう)なあくるぬ、ちなあぐちに(てえ)すぬ考えとぅか書ちくとぅばぬ有様(ありさま)んでえにちいてぃ、ちゃんとぅ語ゆる事さんでえ、調査結果あ、なんぞお意味え()えらんでぃち考えびちいやあらに。

 

7.琉球民族名乗ゆる事ぬ意義−うかあさる単一民族主義んかい対抗

 うちなあぐちゆ言語(ぎんぐ)んでぃち主張(しゅちゅう)すぬむんどぅんやれえ、沖縄人お、(てぃい)ちぬ民族(みんずく)やんでぃゆる事、主張すしとぅ()ぬむんやん。「しまくとぅば県条例」ぬ事にちいてぃ地元紙(じむとぅし)ぬ「(くぃい)ぬ欄」ぬんかい、しまくとぅば(うみ)がなさしい(じゅう)さる事お「悪な民族(みんずく)主義的(しゅじてぃち)」どぅやい、(いくさ)する事んかい、けえならんがあらんでぃ心配(しわ)そおる投書(とぅうしゅ)ぬあたん。

自ぬ民族(ほく)ゆる事ぬないぬ民族お、他民族ん(うや)まゆる文化(ぶんくぁ)()ちゆうすん。日本(にふん)や、政府(しいふ)要人(ゆうじん)失言(しちぎん)[17]んかいある(ぐとぅ)単一(たんいち)民族志向(しくう)やん。やしがうりえ、他民族敬まゆる文化持たん差別(さびち)社会(しゃくぁい)どぅやい、うりがまたうかあさる事お、有事(ゆうじ)なたるばすんでえじえ、国民(くくみん)統制(とぅうしい)ぬしい易っさる事やん。

(むとぅ)から、日本(にふん)ぬん、かあま大昔(うふんかし)え、弥生式(やゆいしち)文化(ぶんくぁ)とぅ(とぅむ)朝鮮系(ちょうしんきい)言語(ぐんぐ)()()でぃちゃる人んちゃあ(帰化人(ちかじん)組織(すしち))ゆ祖先(すしん)とぅそおるヤマト政権(しいちん)統一(とぅういち)国家(くっくぁ)ちゅくゆる(まで)え、北方系(ふっぷうきい)蝦夷(いみし)とぅか南方系(なんぷうきい)ぬオーストロネシア語族んでえぬ混んちょおる多民族(たみんずく)列島(りっとぅう)やたんでぃぬ(しち)[18]ぬあん。

沖縄人(うちなあんちゅ)琉球(るうちゅう)民族(みんずく)やんでぃち名乗(なぬ)ゆる(くと)お、(けえ)てえ、単一(たんいち)民族論(みんずるん)()っちょおる危険性(ちきんしい)(ゆく)(しい)すん。沖縄戦(うちなあしん)ぬんじ、ちゃっさきいぬ犠牲者出(じしいしゃん)じゃちゃる沖縄人お、民族名乗てぃ当たい(めえ)やあらに。民族同士(どおさあ)ぬあらげえ事が()きゆみ起きらにんでぃゆる事お、うぬ民族ぬ単調(たんちゅう)価値観(くぁちくぁん)どぅ持っちょおみ、多様(たゆう)対処(てえしゅ)能力(ぬうりゅく)ぬ豊かさ)持っちょおみんでぃゆる事なかいどぅ()わまゆる。民族意識(いしち)くるが戦争(いくさ)()する(わけ)えあらん。

ただ、一人(ちゅい)なあ一人なあぬ民族決わみゆしえ学説(ぐぁくしち)んあらな行政(じゅうしい)組織(すしち)んあらん。決定権(きってぃいきん)やなあめえめえんかいどぅある。本人(ふんにん)(うみ)いとお(びち)に、(たあ)ん民族()しい()きる事おならん。民族が自己(じく)申告(しんくく)さあに決わみらりいるむんどぅんやれえ、客観的(ちゃっかんてぃち)基準(ちじゅん)()えらんてぃん()むみんでぃぬ疑問(じむん)()じてぃ()ゅうる(はじ)(いくさ)()わてぃ(ちゃあき)え、衣食住(いしゅくじゅう)はじみ宗教(しゅうちょう)芸能(じいいのう)までぃ、沖縄人(うちなあんちゅ)本土(やまとぅ)とお(びち)どぅやたる。『青い目がみた「大琉球」』(ニライ社)んかいあぬ照屋善彦氏ぬ文引用(いんゆう)しんだな。

「琉球を訪れた欧米人は、(略)島の人々の特色ある文化に興味を覚え、(略)この王国の風土と文化がその隣国の中国・朝鮮・日本本土、さらに東南アジアとは異なる独特のものであることを知り、数多くの記録を残したのである」

やしが、琉球民族名乗ゆる事お、日本人(にふんじん)やる事否定(ひてぃい)すぬむぬおあらん。「日本人」でぃぬ呼称(くしゅう)や、(むと)お、国家人(くっくぁじん)国籍人(くくしちじん))ぬ呼称どぅやしが、単一民族志向(しくう)んあてぃ民族とぅばぺえらっとおん。むしか、日本ぬかあま大昔(うふんかし)多民族(たみんずく)(どぅう)なあくるぬ言語(ぎんぐ)んでえ文化(ぶんくぁ)んでえ、ちゃあ持っちいそおたるむんどぅんやれえ、(たとぅ)れえ、「蝦夷系(いみしきい)日本人(にふんじん)」ねえし呼称さりいる(ちゅ)んちゃあ(なま)ちきてぃ(をぅ)たる筈。

琉球ぬ歴史(りちし)(ちゃあ)ち来ゃる三大(さんでえ)事変(じひん)にちいてぃん書ちょおかな。1609(にん)んじ薩摩(やまとぅ)()みてぃちゃる(ちわ)ねえ、王府(おうふ)財宝(ぜえほう)公文書(くうぶんしゅ)()うらってぃ、古琉球(くるうちゅう)姿(しがた)ぬ分からんなたん[19]。また、1879年ぬ廃藩(へえはん)置県(ちきん)ぬ際にん(うふ)くぬ公文書ぬ東京(とうちょう)んかい()っち()らったしが、多くお関東大(くぁんとうでえ)震災(しんせえ)んじ、けえ()えたんでぃぬ事やん。またなふぃのお、1945年ぬ沖縄戦ぬ際んじん多くぬ史料(しりゅう)()えてぃ()えらんなたん。

 

8.直ぐすばんかいあぬ書ちくとぅばとぅ表記法

文化(ぶんくぁ)人類(じんりい)学者(ぐぁくしゃ)ぬ川田順造氏や、「ことばをあまり必要としない身近な者同士の間では、ことばは廃れる。ことばは、よそ行きとして発達する[20]」でえぬ事言ちょおん。書ちくとぅばあ、不特定(ふとぅくてぃい)多数(たすう)ぬ人んちゃあんかい(ちて)えらんでえならんむんやくとぅ、究極(ちゅうちゅく)ぬ「よそ行きことば(すがいくとぅば)」やんでぃ言ちん済むん。すがいくとぅばあ、話しくとぅば視覚(しくぁく)()せえるむんやくとぅ、視覚ぬ都合(ちごう)んかい合あち、論理的(るんりてぃち)文法的(ぶんぷうてぃち))んあらんでえならんあい、また、(みい)ばん考えらってぃ様式化(ゆうしちか)さっとおる言語やん。

沖縄んじえ、うちなあぐちなかいすぬ散文(さんぶん)うりから書ちくとぅばゆ再興(せえくう)発展(はってぃん)しみゆる事にちいてぃ、大概(てえげえ)(ちゅ)んちゃあ、うん(ぐと)おる事までえさんてぃん済むんでぃ考えとおん。(なま)、うちなあぐちぬ「書ちくとぅば」ぬ如し流行(ふぇえ)とおしえ、ただぬ「話しくとぅばぬ表音(ひゅううん)書ち」どぅやる。(さち)言ちゃる(とぅう)い、大概ぬ沖縄人ぬうちなあぐち(くぁん)ぬ表わりどぅやら(はじ)んでぃ(うみ)ゆん。

司馬遼太郎や、徳川宗資(国語学者)とぅぬ対談(てえだ)ぬんじ、「天才が現れないと、土語から散文化することは無理です」(『日本語の本質/司馬遼太郎対話選集2』)んでいち言ちょおん。書ちくとぅばにちいてえ、「話しくとぅばぬただぬ表音(ひゅううん)書ち」やかん、なあふぃん工夫ぬさりいびちいやんでぃち(かんげ)()しゃん。後々(あとぅあとぅ)(ちゅ)んちゃあや、天才(てぃんせえ)たあが(ちゅく)てぃちゃる書ちくとぅば()えびすぬうっぴし()むん。日本語(にふんぐ)や、うん(なげ)えが歴史通(りちしとぅう)ち、いちゃっさききいぬ天才作者(さくしゃ)たあが(かか)わてぃ、(なま)様式(ゆうしち)んかいしいなさってぃ()ゃん。琉球語(るうちゅうぐ)組踊(くみをぅどぅい)作家(さっくぁ)たあが日本ぬ歌舞伎(かぶち)んでえ浄瑠璃(じゅうるい)んでえぬ作家たあ似えびさあに組踊台本(でえふん)書ちゃあに、散文ぬ体裁(てえせえ)までぃしいなち()ゃん。

日本ぬ琉球国(ひい)(ぐう)さる後、抑圧(ゆくあち)さんでえならんむんとぅなたる琉球語や、いふうな(あちけ)えさりいる(くとぅ)んかいなたん。うりまでえ()えらんたる言語(ぎんぐ)ねえし扱けえらってぃ、「日本語ぬ方言ぬ(ぐと)おん」んでぃち考えらったん。表記法(ひゅうちふう)ん組踊()からぬ伝統(でぃんとぅう)表記や、()えらんたる(ぐとぅ)しリセットさったん。

『沖縄對話』(明治13年、県学務課)ぬ表記法や、日本語版ぬんじえ、長音(ちゅううん)にちいてえ母音重(ぶいんかさ)にてぃすぬ伝統(でぃんとう)表記なとおるむんやしが、琉球語版や外来語(ぐぁいれえぐ)とぅ()ぬむん、長音や棒引(ぶうふぃ)記号(ちぐう)なかいすぬ簡易(くぁんい)な表音表記とぅなとおん。うぬ(ゆい)がやら、民謡(ふぁあうた)とぅか芝居(しばい)脚本(ちゃくふん)んでえうとおてぃん、漢字(くぁんじ)混んきてえるひらがなんかい棒引ち記号(長音)ん混んきゆる表記法ぬ主流(しゅるう)けえなてぃ現在(なま)(ちじ)ちょおん。長音ぬんかい棒線記号使(ちか)ゆる表記法ぬ悪っさる(とぅくる)お、元々(むとぅむとぅ)(たあ)ちぬ意味からなとおる語ゆ(いち)音節(うんしち)んかい結合(きちごう)[21]けえしみゆる事にゆてぃ、語ぬ構成(くうしい)ぬ分からんないる事やん。棒引ち記号使あらん日本語式表記法やれえ、音声上(うんしいじゅう)音節(うんしち)結合ぬあてぃん文字上(むじじゅう)や音節ぬ結合やしみらんくとぅ、語ぬ構成(くうしい)説明(しちみい)しい易っさん。日本語んじ棒引ち記号使てぃん()むしえ、語ぬ構成ぬ事までぃ考えらんてぃん()たさる外来語(ぐぁいれえぐ)(カタカナ表記)とぅか臨時(りんじ)()ばし音[22]んでえぬばあびけんどぅやる。()分解(ぶんくぁい)すし考えてえ()えらん本土各地(くぁくち)ぬ方言うとおてぃん棒引ち記号や使(ちか)あらっとおん。(どぅう)なあたあびけんし(うく)たい()ちゃいすぬ個人(くじん)メールんでえにちいてえ、当い(めえ)ぬ事、まあまあでぃん自由(じゆう)やん。公式(くうしち)ぬ表記法が晴着(うわあじ)やれえ、個人メールねえぬ表記え普段(ふだん)()ねえぬむんやん。

うちなあぐちゆ言語とぅさあに考えゆるむんどぅんやれえ、うぬ書ちくとぅばにちいてえ、晴着とぅさんでえならん。おもろ(うむる)()()しぬ編纂者(ひんさんしゃ)とぅか組踊(くみをぅどい)作家(さっくぁ)たあにゆてぃ琉球語んかい(とぅ)い入りらったる日本語式表記法や、琉球語ぬ伝統表記とぅないる(はじ)やたん。(なま)やれえ、日本語が明治(みいじ)(ゆう)んじ言文(ぎんぶん)一致(いっち)んかい(のお)ちゃんねえし、うちなあぐちにちいてぃん、(あとぅ)じいんじ言んねえ、日本語ぬ原文(ぎんぶん)一致とぅ()してぃ直さんでえならんむんやる事お当い前ぬ事やん。

うちなあぐちゆ散文化(さんぶんくぁ)すぬ(たみ)なかい要用(いるゆう)やしえ天才(てぃんせえ)やあらな、肝強(ちむづう)さびけんし()むん。天才ぬ()(くち)え、けえ()わとおい、いがろうや、天才たあ(ぬく)ちぇえるむん、直さあ直さあし、継承(きいしゅう)また()えびするびけんしいねえ済むん。やくとぅ、うちなあぐち表記法や、(たあ)(てぃい)やてぃん、いちゃゆる(とぅくま)んかいあん。

 

9.組踊んでえぬうちなあぐちぬ伝統表記

琉球語んでぃちゃあに呼称(くしゅう)さっとおたる(ゆう)ぬ書ちくとぅばゆ次ぬ(ぐとぅ)(のお)しいねえ、口語(くうぐ)うちなあぐちぬ書ちくとぅばぬ表記法とぅなゆん。

@文語的(ぶんぐてぃち)表記(ひゅうち)日本語音式(にふんぐうんしち))ゆ口語表記(琉球語音式(るうちゅうぐうんしち))んかい直すん。(りい)、文語「ほこらしやが」→口語「ふくらしゃどぅが」。()母音(ぶいん)a,i,u,e,o)ぬうち、ueIんかい、ouんかい()えゆる事にゆてぃゆてぃ、口語んかいなゆん。(chu)→chi)、き(ki)→ち(chi)、ぎ(gi)→じ(ji)んでえあい、また拗音ぬばあとぅか、細さる事いねえ、なあふぃんあしが、くまうとおてえ略すん。ただ、「(わん)[23]」んでえぬ係助詞(かかいじゅし)「や」ぬ文語(ぶんぐ)使(ぢけ)えや許さりいん。

A旧仮名使(ちゅうかなぢけ)えゆ新仮名使えんかい(のお)すん。(りい)、「けふ」や「ちゅう」んかい、「たうたう」や「とうとう」んかい。やしが、「くゎ(くぁ)」、「ぐぁ(ぐゎ)」んでえぬ旧仮名使えや、発音(はちうん)(ぬく)とおくとぅ残すん。

日本語(にふんぐ)うとおてぃぬ言文(ぎんぶん)一致(いっち)んでえ、「口語(くうぐ)し文書ちゅる(くとう)」どぅやしが、うちなあぐちしえ、()母音式(ぶいんしち)表記(ひゅうち)(日本語音式(うんしち))ゆ口語音式(琉球語音(るうちゅうぐうん))し表記すぬ事どぅやる。ただ、現代(ぎんでえ)うちなあぐちしえ、(はじ)みから、口語音し表記しいねえ()むる事やくとぅ、うぬ表記法や、ただ現代日本語ぬ表記法んかい()しれえ済むる事どぅやる。

琉歌(るうか)んでえぬ韻文(いんぶん)や、散文(さんぶん)手本(てぃふん)とお成いゆうさん。琉歌、いちゃっさ、ましさあに、(ちゅく)たいさわん、うちなあぐち散文化すぬ事んかいや、役んかい立っちぇえ()えらん。()(ぐとぅ)組踊(くみをぅどぅい)脚本(ちゃくふん)ぬん韻文やんでぃち(うま)あらってぃ()ゃる事んあてぃ、散文表記ぬ参考(さんくう)んかいやならんでぃち考えらってぃちゃん。確かに組踊台本(でえふん)や、(うふ)くお韻文どぅやしが、(じち)散文調(さんぶんちゅう)ぬセリフんあん。

伊波普猷や、組踊ぬ韻文形式(きいしち)変調(ひんちゅう)すぬばあにちいてぃ、「切なる情を表したり、驚いたりして発する詞は、破調にしてある。(略)感情が高まって来ると、忽ち変じて、七五調又は五七調になるのである」(『琉球戯曲集』)んでぃ言ちゃあに、韻ぬ(くじり)りらわん韻文形式やる事お変わらんでぃち考えとおん。やしがまた、散文調ぬセリフにちいてえ、「冗漫な文句」んでぃちくじゆん。「『手水の縁』や無名氏の『忠孝婦人』等見るに(略)、多くは、技芸の点は全く顧みずして、徒らに冗漫な文句を長々と連ねたものばかりで」んでぃ言ちょおん(『琉球戯曲集』)。引用文(いんゆうぶん)ぬんかいあぬ「手水の縁」(平敷屋朝敏)や、「花売りの縁」(高宮城親雲上)とぅばっぺえとおん。冗漫な句(散文)ぬ多さる例とぅしち、伊波ぬ言ちゃる「手水の縁」ぬんかいや、散文句や()えらな、「花売りの縁」かいどぅある。伊波ぬただぬ勘違(かんちげ)えやんでぃ(うま)ありいん。うぬ「冗漫な句」んでぃしえ、「花売りの縁」うとおてえ、薪採ぬ長セリフ、また「忠孝婦人(異本、大川敵討)」(久手堅親雲上)うとおてえ、(とまい)ぬ長セリフやる事お間違(まちげ)え無えらん。じるん口語(くうぐ)[24]やん。伊波や、組踊にちいてぃ(どぅう)美学(びぐぁく)とぅ合たらん(とぅくる)おましえ、あらんぎさん。やしが、散文ぬんかい関心(しゅうみ)持っちょおる後世(くうしい)ぬいがろうにとぅてぃ、あんそおる「冗漫な文句」ぬる、散文ぬ参考とぅないる宝物(たからむん)やん。

旧仮名使えぬ事お()ち、実音(じちうん)とぅ、あいゆかん違とおる()母音(ぶいん)し表記すぬ表記法から、実え、組踊時代(ぐる)までえ現代(なま)ぬうちなあぐちとお違てえ(をぅ)らんたがやあんでぃち勘違えすぬ(ちゅ)ん居ん。200(にん)ぐれえぬあたいしえ言語や、()ぎく変わゆるむのおあらん。うわあばな物言(むに)いやいやすしが、明治(みいじ)15年生(にんう)まりぬ祖父(うすめえ)とぅ(わん)とぅぬ言ちゃいはんちゃいや成とおたん。祖父んまた(うり)ぬ祖父とぅ言ちゃいはんちゃいそおたる(はじ)。言語や連続(りんずく)そおるむんどぅやる。

旧薩摩(ちゅうさちま)うとおてぃん、百姓(ひゃくしょう)(さん)母音(ぶいん)どぅやたしが、士族(ゆかっちゅ)や、江戸語(いどぅぐ)とぅ()しらんでぃち五母音し話すたんでぃぬ事やん(司馬良太郎対話選集2『日本語の本質』)。五母音表記や、薩摩ぬ侵略すぬ前んじ編纂さっとおる「おもろ(うむる)()うし」(ゆう)からぬ伝統やる事から、薩摩士族ぬ影響(いいちょう)やあらのおあしが、(ぬう)がなぬ共通(ちょうつう)(くう)ぬあいがすらん分からん。

(わあ)主張(しゅちゅう)そおる伝統的表記法とぅうぬ(ふか)ぬ表記にちいてぃ下表(くぁひゅう)うとおてぃ比較(ふぃっちょう)しんちゃん。

主な表記法ぬ対比表

 

伝統表記(日本語式)

表音表的簡易表記(長音や棒線使用等)

文法説明

容易(語句ぬ分きい易っさる表記)。

容易やあらん(語とぅ語ぬ結合音ゆ棒線記号し表記したいすぬたみ)。

発音対応

日本語とぅ同ぬ如成ゆん

成ゆん

成立

多くぬ作者たあがしいなちゃん。

話しくとぅば「表音的簡易書ち」。

伝統的か

伝統的し踏襲。

伝統的やあらん。

例文

あんまあ、たむのお、きぶとおんどお。

あんまー、たむのー、きぶとーんどー。

あんまぁ、たむのぉ、きぶとぉんどぉ。

注:長音ぬんかい小文字使いや、拗音+長音ぬばあや小文字ぬ連続すん。例、「ちゃぁぐゎぁ(茶小)」。

 

10.話者人材や豊富―多面的活用さあに深みぬあぬ継承運動し行ちゃびら

使(ちか)いねえ(とぅら)とぅなてぃ、使らんあれえ(ゑんちゅ)どぅないる」んでぃぬ故事(くじ)ぬあん。普通(ふつう)(ちゅ)やてぃん登用(とぅうゆう)しいや虎ぬ(ぐと)おる実力出(じちりゅくん)じゃする(くとぅ)ぬ成いしが、登用さんあいや、ちゃっさぬ(すぐ)(むん)やてぃんただぬ鼠んかいどぅ成いるんでぃぬ意味やん。

話者(わしゃ)世代(しでえ)(うふ)くお、継承(きいしゅう)(とぅ)い組みにちいてえ、(ふぃ)ずるうねえ()ゆしが、いざとぅないねえ、うちなあぐちぬ知識(ちしち)んまんどおい、ちゃんとぅそおる意見(いちん)ぬん()っちょおんる「(かく)武士(ぶし)[25](てぃち)存在(すんぜえ)やん。うったあ知識とぅか意見、如何(ちゃ)風儀(ふうじい)し、継承運動(うんどう)んかい、取い入りて行けえ()むがやあ。

話者でぃ言ちん、うちなあぐち日常語(にちじゅうぐ)とぅそおるグループとぅまどぅまどぅどぅなあどぅ使(ちか)ゆるグループんかい分きらりいん。(あとぅ)じいぬ(ちゅ)んちゃあやまた、大概(てえげえ)、多く使ゆるグループとぅまるけえてぃなあどぅ使ゆるグループんかい分かりいん。日常語とぅそおんでぃちん、身内(みうち)とぅか()ぬシマ人とぅ(はなし)すぬばあぬる(うふ)さくとぅ、(じゅん)ねえちゃあが成とおらあ分かい(ぐり)さん。(わあ)身内(うるま市与那城(ゆなぐしく))え、いいくる、うちなあぐちぬる日常語やしが他所人(ゆすんちゅ)とぅぬ話すぬばあや、日本(にふん)()なかいどぅする。また、糸満(いとぅまん)市字()江城(いぐしく)ぬ人んちゃん、(わあ)が知ちょおる(かじ)り、うちなあぐちぬる日常語やる。やしが、他所人とぅ話すぬばあや、日本語なかいどぅする。うん(ぐとぅ)うし、(わあ)くるぬ近さんかい(をぅ)る話者ぬ(かじ)から考えいねえ、沖縄んかい居る日常語派や、ちゃぬあたい居がやあ。まる平生(ふぃいじい)や日本語日常語とぅさあに、うちなあぐちえ、あんましむんちゃんでぃち(うむ)とおる大概(てえげえ)団塊(だんくぁい)世代や話し相手(ええてぃ)()ぬシマまた同ぬちるみいやるばあや、ちゅうちゃん、うちなあぐち()びゆるばすぬあん。

沖縄んかいや、「耳ぬ(くぇ)えとおん」んでぃゆる慣用句(くぁんゆうく)ぬあん。歌とぅ(をぅどぅい)(さけ)えとおる沖縄んじえ、兄者(しいじゃ)世代(かた)や、(なげ)えさ、(うた)三味線(さんしん)()ち慣りとおい、プロん評価(ひゅうくぁ)しいゆうすん。プロぬ人んちゃあん、うん(ぐと)おる兄者世代ぬ「肥えとおる耳」(うす)りとおん。うちなあぐちぬ事にちいてえ、話者世代や、耳ん目ん肥えとおん。()ったあぬ耳え音声(うんしい)語聴(ぐち)ち、(みい)書記語(しゅちぐ)()うん。話者やんでぃゆる事ぬ(ふか)なかい、継承運動んかいん(どぅ)なあくるぬ意見持っちょおん。やしが、うんな世代ぬ多くお継承運動ぬ蚊帳(かちゃ)(ふか)んかいどぅ()かっとおる。地元紙(じむとぅし)んじえ、うちなあぐち関連記(くぁんりんち)()え、ただんちょおん、いきらさどぅあしが、うちなあぐちんかい()がなとおんでぃちマスコミんかい()じゆる人んちゃあや、よういいきら人数(にんずう)特別(とぅくびち)な人んちゃあびけんどぅやる。あんさあに、うちなあぐち使ゆる人お()ったあびけんがやらんでぃち、(うま)あっとおん。うん如おる事お、(じゅん)群盲(ぐんむう)んかい象ぬ一部(いちぶ)()でぃらちょおしとお()ぬむんやん。マイナーな言語んでぃしえ、うん如おる行成(いちない)なかいどぅ単調(たんちゅう)()すぬむんやがやあ。アイヌ語ん元々(むとぅむと)お、(いる)んな方言から成とおたんでぃぬ事やしが、(なま)あ、一面的(いちみんてぃち)なむぬんかいけえ成とおんでぃぬ事やん。

色んなタイプぬ話者(わしゃ)活用(くぁちゆう)すぬ事にゆてぃ、うちなあぐちん多面的(たみんてぃち)なてぃ、深みぬあぬむんやる事ぬ分かゆる筈やん。

 

11.うちなあぐち人材ぬ多様性ぬ意義

グスントウジン主食(しゅしゅく)とぅすぬ南米(なんびい)原住民(ぎんじゅうみん)たあや、(なま)主食とそおる品種(ひんしゅ)後々(あとぅあとぅ)病気(びょうち)んでえなかいなやあに(ふる)びいがすらん分からんくとぅんでぃち、ちゃっさきいぬ種類(しゅりい)ぬグスントウジン品種、ちゃあ(たぶ)いそおんでぃぬ(くとぅ)やん。うん(ぐと)おる(くと)お、民族(みんずく)ぬむてえ(ざけ)えいし行ちゅる(たみ)ぬ立ちじゅくぬじんぶんやい保証(ふしゅう)やん。太平洋(てえふぃいゆう)戦争(しんすう)んじ負きたる日本人(にふんじん)()ぐに肝取(ちむとぅ)(のお)ち、気張(ちば)ゆる(くとぅ)ぬ成たしえ、国民(くくみん)軍国(ぐんくく)主義(しゅじ)くうとぅぬ価値観(くぁちくぁん)[26]ぬん、ちゃあ()っちいそおたくとぅどぅやる。むしか、日本人が軍国主義んでぃぬ価値観びけんどぅ持っちょおたるむんやれえ、反米英(はんびい)思想(しすう)代々(でえでえ)受ち()がってぃ、(なま)ちきてぃ、対米英(てえびいいい)ゲリラ(しん)、しが(をず)たらあん分からん。国土(くくどぅ)やさぼうりがなさぼうりてぃ、経済(きいぜえ)大国(てえくく)んかいないゆうさんたる(はじ)やん。

中国(ちゅうぐく)とぅぬ冊封(さっぷう)関係(くぁんきい)薩摩(やまとぅ)侵略(しんりゃく)明治(みいじ)政府(しいふ)にゆてぃさったる併合(ひいぐう)沖縄戦(うちなあしん)敗戦後(へえしんあとぅ)米軍(びいぐん)統治(とぅうち)んでぃち、歴史(りちし)なかいむたばってぃ()ゃがなあん、琉球(るうちゅう)民族や人口(じんくう)ふぃならする事んさんようい、現代(なま)までぃ、生ち()びてぃ来ゃる事ぬ成たしえ、(いる)んな事変(じひん)ぬんかい当たてぃん、(はん)んする事ないんねえし、色んな価値観持っちょおたくとおあらんがやあ。(てぃい)ちぬ価値観びけえしえ、生ちち道ん一ちしか()えらんくとぅ、(ふる)びやっさがあらん分からんむぬやん。自然(しじん)ぬん芸術(ぎいじゅち)ん、あるっさぬ人工物(じんくうぶち)んいるいる有くとぅる、感受性(くぁんじゅしい)ん豊かなやあに、安定感(あんてぃいくぁ)ぬん有る。

沖縄(うちなあ)んじえ、くとぅばあ集落(しゅうらく)ぬかあじ違ゆん。うちなあぐちんかい関がなとおる人んちゃあや、集落ぬ数んかい、大概(てえげえ)比例(ひりい)そおんでぃち考えてぃん()むん。近頃(ちかぐる)お、沖縄ぬあまくまうとおてぃ「しまくとぅば大会[27]」んでえが(むゆう)さりいんねえなてぃちゃん。公民館(くうみんくぁん)んでえじ地元(じむとぅ)ぬくとぅば講義(くうじ)そおる(とぅくる)んあん。復帰後(ふっちあとぅ)地域語(ちいちぐ)編纂(ひんさん)せえる書物(しむち)[28](うふ)発刊(はっくぁん)さってぃ、地域んかい(ちた)わとおる民話(みんわ)ぬ編纂[29]ぬんさっとおん。人材(じんぜえ)やただ、シマぬかあじんかい、うぬシマくとぅば成いる人んちゃあが(をぅ)るびけんやあらん。芝居(しばい)琉歌(るうか)、民謡、散文、語源(ぐぎん)研究(きんちゅう)地名(ちみい)研究んでぃゆるジャンルんかいん(ふぃる)がてぃ多角的(たかくてぃち)んかいなてぃ()ちょおん。

特別(とくびち)ぬ人んちゃあびけんやあらな、色んな人材活用(くぁちゆう)すぬ(くと)お、また、人材育成(いくしい)とぅん成ゆん。人材ぬ多くなてぃ行ちゅしえ、品数(しなかじ)ぬまんどおるデパートんかい(こう)(むん)さあぬ(あち)まてぃ来ゅうる(ぐとぅ)継承(きいしゅう)運動(うんどう)んかい(すり)てぃ来ゅうる人んちゃあぬ(うわ)ち、質的(しちてぃち)にんむてえ(ざけ)えすぬ契機(ひょうし)とぅんないる筈やん。

 

12.「うちなあぐち継承支援条例」ぬ必要性

2009(にん)6月(るくぐぁち)()ねえ浦添市(うらしいし)在住(ぜえじゅう)ぬ上地氏から一通(いっつう)葉書(はがち)しどぅう果報(がふう)なたん。

「実は私、二十数年前に聖書を宮古口になおそうと思い、創世記三章まで進みましたがあまりの難しさに中断してしまいました。(略)昔を思い出して又始めようかと思ったりしていますが、もう八十を超えましたので、どうしようかとなやんでいます」(原文ぬまま)。

また、那覇(なあふぁ)市ぬ赤嶺氏(当時80代)からん、「若い頃、泊高橋のことばを編纂しようと取り組んだこともあった」んでぃぬ電話(でぃんわ)しどぅう果報なたる事ぬあん。沖縄市ぬ伊礼(いりい)氏(当時50代前半)や、定年(てぃいにん)しいねえ()まりジマやる与那城(ゆなぐしく)ぬくとぅば編纂(ひんさん)すぬ計画(くぬみ)()っちょおたしが、志半(くくるざしなか)らんじ(とお)りたん。(とぅ)見城市(みぐしくし)C氏(60代前半)や、フランス()小説(しゅうしち)うちなあぐちんかい通事(とぅうじ)そおたしが、発行(はっくう)までえしいなしいゆうさんたん。(うみ)ゆらば、いちゃっさきいぬ(ちゅ)んちゃあが、故郷(くちょう)ぬくとぅば(うみ)がなささがなあん、(うみ)()っち()じゃる(くとぅ)やがやあ。

会話(くぁいわ)実践(じっしん)すぬサークルんでえん、あまくまんかいあしが、公的(くうてぃち)支援(しいん)ぬん()らんどぅあくとぅ、むとぅうち行ちゅる事おならん。ないぬ事やれえ出版(しゅっぱん)までえ、しわるないるんでぃち考えらっとおる散文(さんぶん)活動(くぁちどう)にちいてぃん()ぬむんやん。うん(ぐとぅ)うし、うちなあぐちんかい(かが)なとおる(ちゅ)んちゃあや、地方語(ちふうぐ)編纂(ひんさん)ぬんかい関なゆる人から、散文活動までぃそおる人までぃ、(うみ)いぬ外多(ふかうふ)さしが、()ったあ活動(くぁちどう)資金(しちん)ぬんかい比例(ひりい)さあに、社会的(しゃくぁいてぃち)ねえ、なんぞお目立(みいだ)ったん。近頃(ちかぐる)おインターネットぬ普及(ふちゅう)にゆてぃ、(たあ)やてぃんホームページんでえブログんでえ開設(くぁいしち)さあに、(どぅう)なあくるぬ活動ぬないんねえしなてぃ()ょおい、うちなあぐち話者(わしゃ)世代(しでえ)んかいん、いいくる(ふぃる)がい(はじ)まとおん。市井(ししい)ぬ人んちゃあぬうちなあぐち活動にちいてえ、マスコミえ、なあふぃん、(とぅ)い上ぎいびちいやあらにんでぃぬ(くぃい)んあしが、(けえ)てえ、マスコミ(たる)がきてえ(をぅ)らんくとぅる、ホームページとぅかブログんでえぬ活用すぬ事ぬ(うふ)くなてぃ行ちゅる。

うちなあぐちぬ継承(きいしゅう)、うみはまとおる市井ぬ人んちゃあぬ花ぬ咲ちゆうさん(わき)とぅしえ、うちなあぐちぬ市民権(しみんきん)が「しまくとぅばの日」条例(しゅうりい)んかい書かっとるうっぴやくとぅるやる。うちなあぐち継承すんでぃちうみはまとおる個人(くじん)とぅか団体(だんてえ)や、肝揃(ちむずり)いさあいに、(きん)また県議会(きんぎくぁい)んかい、うちなあぐちぬ継承、(たし)きゆる条例制定(しいてぃい)すぬ(ぐとぅ)、あぎまあさんでえならん。当い(めえ)ぬ事やしが、公的(くうてぃち)支援(しいん)や、意見(いちん)とぅか活動(くぁちどう)方法(ふうふう)んでえぬ(ちげ)えみとお関係(くぁんきい)()えらん如、公当(くうとう)にさりいびちいやん。

うちなあぐちぬ継承んかい()がなとおる団体また個人(くじん)や、(たとぅ)い、意見の違えみぬあらわん、肝揃いしいねえ、県また県議会ぬ考え、変えゆる事お、(むちか)さる事おあらん。

 

13.話者世代やれえ誰やてぃんないる実践−まる平生使ゆる事

うちなあぐちぬ継承ぬ取い組みにちいてえ、特別(とぅくびち)な人んちゃあがすぬむんやんでぃち(うむ)とおる(ちゅ)んちゃあぬまんどおん。確かに、辞書(じしゅ)編纂(ひんさん)とぅか(ふん)出版(しゅっぱん)んでえや、でえじなぬ難儀業(なんじわざ)やくとぅ、暮らし立てぃやがなあや難さるむぬやん。サークル主宰(しゅせえ)さい、講義(くうじ)活動(くぁちどう)さいすしん、しこういむこういすぬ()(かん)んでえ考えいねえ、くりんまた難儀業(なんじわざ)どぅやくぅ、成いる人お(かじ)らっとおん。

()う、「実践(じっしん)やかまさゆる継承や()えん」でぃぬ黄金(くがに)言葉(くとぅば)ぬあん。言語(ぎんぐ)ぬ実践んでえ、うぬくとぅば「使ゆる」事どぅやい、あるっさぬ(しゅ)言論活動ぬ事どぅ()る。うちなあぐち日常語(にちじゅうぐ)とぅそおる人んちゃあやてぃん、子孫(くぁんまが)んでえとぅ話すぬばすお、日本語(やまとぅぐち)んかいけえないるむんどぅんやれえ、うちなあぐち継承ぬ(くと)お、(ぬう)ん考えてえ居らんねえ(うま)ありいん。やしが、(くぁ)(んまが)たあや、(をぅや)同士(どぅうさあ)ぬ使とおるうちなあぐち(じち)え良う()ちょおん。あんしまた、わざとぅやらわん、(うび)らじにやらわん、子んちゃあ孫んちゃあんかい、まるけえてぃなあ、うちなあぐち使とおるばすん(うふ)さん。うぬ事お、うちなあぐちぬ耳学問(みみぐぁくむん)ぬんかいなとおん。(じゅん)に、「話しゆうさんしが聞ちゅる事おなゆん」んでぃぬ世代ぬ居る事お、()万人(まんちゅ)ぬ知ちょおる(とぅう)いやん。「聞ちゅぬ事ぬなゆん」んでぃ言る事とぅ、「聞ちゅる事んならん」んでぃ言る事とお、あいゆかんぬ違えみぬあん。「聞ちゅる事ぬないる」人んちゃあや、話、しい慣いりるうっぴさあに、話者ぬグループとぅしん、(とぅう)ゆん。聞かすぬうっぴぬ消極的(しゅうちゅくてぃち)な実践やてぃん、ちむええぬあん。くぬ世代ぬうちなあぐちあびゆうさんしえ、(くう)さいにいから(をうや)んちゃあから「使てえならん」でぃやあに、言ゃっとおくとぅるやる。

 

14.話者世代やれえ誰やてぃんないる実践―散文書ちゅる事

まる平生(ふぃいじい)や、うちなあぐち使(ちか)らん(ちゅ)んちゃあやてぃん、継承(きいしゅう)活動(くぁちどう)やうみはまゆる(くとぅ)ぬなゆん。()()(ゆう)な活動やがんでいいねえ、うちなあぐちし「文章書(ぶんしゅうか)ちゅる」(くとぅ)やん。(はなしい)する事ん大切(てえしち)えやしが、書ちゅる事んまた大切やん。念入(にんい)りてぃ言語(ぎんぐ)勉強(びんちょう)すぬ事ぬなゆん。会話(かいわ)びけんせえ、言葉あ空気中(くうちちゅう)んかい(とぅ)でぃ()ち、(ぬう)(ぬく)らのおあしが、文章やれえ、紙上(しじゅう)んでえパソコンんでえんかいデータとぅさあに残すぬ事ぬなゆん。散文ぬんかいけえ慣りいねえ、うちなあぐち(りゅく)ぬでえじな(ちゅう)てぃ()ゅうる(はじ)やん。

やしが、沖縄(うちなあ)社会(しゃくぁい)んじえ、うちなあぐち散文や、(なま)ちきてぃ、市民権(しみんきん)()えらん。地元紙(じむとぅし)うとおてぃん、使(ちけ)え様や限定的(ぎんてぃいてぃち)どぅやる。(うふ)くぬ沖縄人(うちなあんちゅ)お、うちなあぐちし文章書ちゅる事お成らんでぃち言ちょおしが、大概(てえげえ)表記法(ひゅうちふう)ぬ事なかいどぅ(うみ)()みいそおる。

歴史(りちし)断絶(だんじち)んでぃせえ、あんすかまでぃん後世(くうしい)んかい、ひまだありな(わざ)しみゆるむんやがやあ。

漢字(くぁんじ)知らんで中国語文(ちゅうぐくぶ)のお書ちゆうさんとぅか、スペルぬ分からんでえ英語文(いいぐぶん)や書ちゆうさんとぅかぬ話やれえ分かゆん。やしが、うちなあぐちえ、日本語(にふんぐ)とぅ()ぬむん[30]基本的(ちふんてぃち)ねえ、音節(うんしち)単位(たんい)し成とおる文字(むじ)[31](かな)使(ちか)とおる(たみ)なかい、五十音(ぐじゅううん)(あらわ)しゆうする(うとぅ)やれえ()ち書ちすぬ事んなゆん。

また、音声(うんしい)とぅ書記(しゅち)とぅなんぞお離りてえ(をぅ)らんうちなあぐちとぅか日本語んじえ、表記ぬ(くう)てんなあや違てぃん書記とぅしち成とおん。(たとぅ)れえ、「()く」や「ゆく」、また「論じる」や「論ずる」やてぃん()むん。いちゃっさきいぬ方言とぅ新旧(しんちゅう)ぬくとぅば使(ぢけ)えぬ混んちょおるうちなあぐちにとぅてぃ、(くう)てんぬ表記ぬ違えみゆ許すぬかな表記え有利(ゆうい)やん。「しみそおれ」を「しんそおれ」、また、「()やびいん」ゆ「降いびいん」、「成ゆん」ゆ「成いん」でぃち表記しん「綴り」ぬばっぺえっとおんでぃち、()びららんてぃん済むん。

表音(ひゅううん)文字(むじ)やるローマ字ゆ使ゆる西欧語(しいゆうぐ)ぬんちょおん、スペルお漢字(くぁんじ)とぅ()(ぐとぅ)、「(かたち)」とぅけえ成とおん。むし、音韻・音声学ぬ立場(たちふぁ)から英文(いいぶん)んでえ中国語文(ちゅうぐくぐぶん)伝統的(でぃんとぅうてぃち)スペルとぅか漢字なかいやあらな、発音(はちうん)記号(ちぐう)し書きんでぃち提唱(てぃいしゅう)さりねえ、とお、ちゃぬあたいぬ(ちゅ)んちゃあが(とぅ)()きゆがやあ。書ちくとぅばんでぃしえ、なあ視覚(しくぁく)都合(ちごう)なかい成とおる言語(ぎんぐ)どぅやる。視覚ぬ都合んでぃしえ美学(びぐぁく)ぬ事までぃ考えらんでえならん。言語や文化(ぶんかくぁ)どぅやい、様式美(ゆうしちび)どぅやる。継承(きいしゅう)んでえ模倣(むふう)どぅやい、また、ましやるむん()らぶる事んやん。ちゅらさるむんぬ(ぬく)やい、あねえあらんむのお淘汰(とぅうた)さりいん。書ちくとぅばあ、(みい)(ぬう)うる言語どぅやくとぅ、美的(びてぃち)やる事お、うわあばな事あらん。

(わん)ねえ、ただぬ人どぅやるんでぃち(ちゅう)う強うとぅ(うむ)とおたくとぅ、表記法や、伝統表記、(のお)ちぇえるむんとぅか、また日本語(しち)とぅ似しゆる事、基本(ちふん)とぅすんでぃち、(はじ)みから()わみとおたん。やくとぅ、表記法ぬ事し、うわあばな難儀業(なんじわざ)ん、ふぃまだありな事さんてぃん()たさたん。「(うく)い仮名」、「長音や母音(ぶいん)(ちら)にゆん」、「句読点(くとぅうてぃん)」、「括弧(くぁっく)使(ぢけ)え」んでえや日本語式とぅさあに、(どぅう)なあくるぬルールとぅしち、@無理(むり)な当てぃ(じい)やさん、A「(ちゅ)らさん(美らさん)」んでえねえし、日本語とぅ異音(いうん)同意語(どぅういぐ)ぬ当てぃ字にちいてえ、なあふぃんましやる新説(しんしち)()じてぃ()ゅうるまでぃぬはんしとぅすん、B語形(ぐきい)保存(ふずん)表記(ひゅうち)[32]すん(でえ)。やしが、「(どぃく)()ルール」や、いいくるばっぺえゆる事んあしが(うみ)(やみ)いやさん。

また、書ちくとぅばぬ実践(じっしん)にちいてえ、ばっぺえとおれえ迷惑(みいわく)やい、恥じかさんでぃち(かんげ)えゆる人ん(をぅ)ん。くんな(かんげ)えからあ何事(ぬうぐとぅ)ん成らん。(はじ)みからしい成さっとおるむのお()えらんあい、(なま)ちきてぃ、しいなさっとおるむのお()えらん。進歩(しんぷ)すぬ(たみ)なかい要用(いりゆう)やしえ、(ちむ)ぐまさやあらな、胆強(ちむじゅう)さどぅやる。うりやかぬコメントぬ要用やみ。

さてぃ、あたらうちなあぐち作文ぬん発表(はっぴゅう)すぬ手段(てぃだん)ぬ無えらんあれえ、継承(きいしゅう)とぅしちぬちむええや、()ぎさあ無えらんしが、やくとぅんでぃち、どぅく(かんげ)()じらんてぃん()むん。ちゃあしいしいねえ、作文(さくぶん)すしえ(たぬ)しみんかい変わゆん。インターネット使(ちけ)えゆうすぬ(ちゅ)お、ブログ立ち上ぎたいさあに、うりぬならん(ちゅ)お、文集(ぶんしゅう)(ぬちょ)おるホームページんでえんかい投稿(とぅうくう)すぬ道んあん。インターネットならん人お、(どぅう)ぬ考えとぅ合たゆる文集サークルんでえんかい投稿すぬ道んあん。如何(いか)な、いふぃ(ぐぁあ)実践(じっしん)やてぃん、ちゃあ(ちじ)きいし行ちいねえ、継承運動(うんどう)ぬむてえ(ざけ)えし行ちゅる(たみ)ぬ役んかい立ちゅる(はじ)やん。

 

15.望まっとおる散文活動ぬ強化

うちなあぐち継承ぬ(とぅ)い組みとぅさあに、「しまくとぅば発表すぬ大会(てえくぁい)」んでえや、いいくる、はねえちょおしが、散文(さんぶん)活動(くぁちどう)奨励(しゅうりい)すぬ取い組みえ、なんぞお無えらん。

歴史(りちし)とぅん(けえ)てぃ()じいねえ、書ちくとぅばぬ有ぬ(くとぅ)言語(ぎんぐ)不朽(ふちゅう)普遍(ふひん)ぬむぬんかい成ち()ゃる(くとぅ)ぬ分かゆん。文字(むじ)()み明かすぬ事にゆてぃ、後世(くうしい)(ちゅ)んちゃあや、(んかし)ぬ人んちゃあからメッセージ受き(とぅ)ゆる事ぬなゆん。八重山(ええま)ぬ、なあ島々(しまじま)村々(むらむら)んかいや、代々(でえでえ)数十種(すうじゅっしゅ)古謡暗(くゆうあん)(しゅう)すぬ音取役(にどぅいやく)(をぅ)たるばすやしが、近代(ちんでえ)()ったあや立ちかんてぃいさあに、(うび)いびいちい古謡覚びいゆさな、喜舎場永cぬ(しゅう)(るく)しい(はじ)みたる昭和(しゅうわ)初期(しゅち)ねえ、ゆかいうっさぬ古謡ぬ(うしな)わりとおたんでぃぬ事やん(『八重山古謡上・下』喜舎場永c著)。口承(くうしゅう)(かじ)りぬあん。音韻(うんいん)ぬん不朽・不変(ふひん)やあらん。口承びけん、ちゃあ(ちじ)きいし行ちいねえ、(なか)らんじえ語彙(ぐい)ぬ分からんないる事んあんでぃぬ事やん。語彙や死語化(しぐか)すぬばあんあい、音韻ぬん安定(あんてぃい)やしえ(をぅ)らんくとぅどぅやる(はじ)

言語ぬ普遍的(ふひんてぃち)目的(むくてぃち)え、(ぬう)(意味)(ちて)えゆがんでぃゆる事どぅやる、文字ん音声(うんしい)手段(てぃだん)どぅやる。やくとぅ、かあま大昔(うふんかし)(ちゅ)お、意味()っちょおる文字(象形(しゅうきい)文字(むじ)発明(はちみい)さん。表音(ひゅううん)文字し書かっとるスペルん時代(じでえ)とぅ(とぅむ)に音韻とぅスペルや(ちが)てぃちゃあに、スペルくるが「形表わすん」ねえなたん。(なま)ちきてぃ、スペルぬ音ぬ(とぅう)いんかい(のお)さらんしえ、音声やか書ちくとぅばとぅしちぬ安定性(あんてぃいしい)(ぬず)まっとおくとぅどぅやる。音韻や変わてぃ行ちゅるむんどぅやい、言語とぅ言語ぬ違えみ表わすぬばすとぅか、ちゃんとぅそおる発音(はちうん)さんでえ相手(ええてぃ)んかい(つう)じらんばすとぅかやれえ、ちゃんとぅそおる音韻(うんいん)主義(しゅじ)ぬるましやる筈やしが、歴史んでぃゆる時間(じかん)から考えいねえ、()いてまでぃ固執(くしゅう)さんでえならんむぬおあらん。

英語(いいぐ)うとおてえ、ジェフリー・チョーサーぬ「カンタベリー物語(むぬがたい)」が散文ぬ始まいやんでぃちさってぃ、日本語や太安万侶ぬ「古事記」、紫式部ぬ「源氏物語」んでえんじ古語(くぐ)(ちゅく)らり始みやい、明治(みいじ)文豪(ぶんぐう)たあが現代(ぎんでえ)日本語ぬ基礎(ちす)(ちゅく)てぃ、あんし、(なま)ぬ形んかいなたしえ戦後(しんぐ)やんでぃぬ事やん。琉球語(るうちゅうぐ)散文(さんぶん)ぬ始まいやる組踊(くみをぅどぅい)台本(でえふん)ぬ書かったしえ18世紀(しいち)ぐるどぅやしが、日本語とぅか英語んでえぬメジャーな言語()んちいねえ、諸外国語(しゅぐぁいくくぐ)ぬ書ちくとぅばぬしい成たる(とぅち)とぅ()なびてぃん、なんぞお、(うく)りとおる分けえあらん。言語、確立(くぁくりち)しみゆる事ん、また継承すぬ事ん、書ちくとぅばぬ役割(やくわい)ぬ、いちゃっさ(てえ)(しち)やがんでぃゆる事お歴史ぬ証明(しゅうみい)そおん。

今ぬうちなあぐち継承運動ぬ中うとおてぃん、一番ぬ大切な散文活動や、うりすぬ人お、でえじないきらさん。うちなあぐち散文活動ぬ再興(せえくう)や、なあ奨励(しゅうりい)活動(くぁちどう)(たる)がきらんでえならんなてぃが(をぅ)ら。

 うちなあぐちしすぬ懸賞(きんしゅう)小説(しゅうしち)んでえ、定期的(てぃいちてぃち)なかい(ぬちゅ)(たみ)基金(ちちん)んでえ設立(しちりち)さあに、うちなあぐち散文活動奨励すしえ、ましあらんにんでぃ(うみ)ゆん。

 

16.うちなあぐちぬ居場所―日本語とぅぬ住みい分あきい

うちなあぐちしすぬ散文(さんぶん)活動(くぁちどう)や、(ぬう)んでぃち、すうみん()ったらな、不毛(ふむう)状態(じゅうてえ)とぅなとおらあ。

うぬ()(わき)とぅしち、うちなあぐちえ、@(いく)けぬん()しが、書ちくとぅばんかいなわとおる言語(ぎんぐ)やんでぃちえ(うま)あってえ(をぅ)らんあい。Aあんし、書ちくとぅばすぬ表記(ひゅうち)が、いいくる表音的(ひゅううんてぃち)表記法とぅけえなとおる(くとぅ)、Bあんしまた、日本語(にふんぐ)やか、表現力(ひゅうぎんりゅく)(うとぅ)ゆんでぃち思あっとおるくとぅやん。

@うりからAにちいてえ、前項(じんくう)までぃなかい論述(るんじゅち)せえる(とぅう)いやん。うん(ぐと)おる(くとぅ)んかいなたしえ、方言説派(ふうぎんしちは)影響(いいちょう)んあら(はじ)やん。また、沖縄人(うちなあんちゅ)(ちむ)(うく)んかいあぬうちなあぐちに(てえ)すぬマイナスイメージゆ(なま)までぃ、ちゃあ持っちいそおる事ん、うぬ原因(ぎんいん)やら筈。

うちなあぐちえ、考えらっとおる(とぅう)い、日本語やか表現力ぬ劣ゆるむぬがやあ。日本語ぬ豊かなてぃ()ゆしえ、ちゃっさっきいなあぬ漢語使(くぁんぐちか)とおくとぅるやる。日本語から漢語(とぅ)()んしいねえ、ちゅうちゃん、使(ちけ)(ぐり)さる言語とぅなゆん。琉球語(るうちゅうぐ)ん日本とぅか(ふか)漢字(くぁんじ)文化圏(ぶんくぁきん)とぅ()ぬむん、江戸(いどぅ)時代(じでえ)から漢語借てぃ()ゃる経緯(いちない)ぬあしが、また、漢語(たる)がきらんてぃん()むぬ語句(ぐく)使(じけ)えん発達(はったち)しみてえん。(たとぅ)れえ、動詞から成てぃちゃる名詞(みいし)んでえぬあん。動詞「かやすん」や、名詞「かやあさあ」んでえとぅか、「かやあすし」んでえ(ちゅく)てえん。うりから、肝心(ちむぐくる)とぅか情表(なさきあら)わすぬ「肝語(ちむくとぅば)」や、『沖縄辞典』(国立国語研究所)んかい66()()とおい、「肝ん肝ならん」んでえぬ慣用句(くぁんゆうく)ん、さんみんぬしい(よう)にゆてぃ(かじ)え変わゆしが、大概(てえげえ)40句びけんあん。日本語んじ(うとぅる)いとおる「(かか)(むし)[33]」ん(なま)ちきてぃあん。「しこういむこうい」、「ゆんたくひんたく」んでえぬ「(かさ)に語」んあん。日本語(なみ)に漢語使ゆるむんどぅんやれえ、うちなあぐちぬ表現力や、日本語以上(いじゅう)ややてぃん劣ゆるわけえ()えらん。

やしが、漢語や日本語音(ぐうん)なかいやあなら、琉球語音(琉球漢音)[34]()まんでえ、日本語とぅぬ混合語(くんぐうぐ)(ぐとぅ)、けえなゆん。話者(わしゃ)世代(しでえ)からあ、日本語読みいすぬ漢語混んちゃあぬうちなあぐちにちいてえ、「日本語ねえそおん」んでぃ思あらっとおん。

うちなあぐちぬ散文ぬ実践(じっしん)ぬんさんようい、うちなあぐちえ、散文化(さんぶんくぁ)ならんでぃぬ(うみ)いとおる(ちゅ)んちゃあや、(どぅう)なあくるし、うちなあぐちし文章書(ぶんしゅうか)()うしえましやん。実践すぬ事んかい、うけえいふぃいけいそおる人お、(ふか)ぬ人ぬ実践書(じっしんしゅ)、見ちぬうしえましんでぃ(うみ)ゆん。あんしまた、継承者(きいしゅうしゃ)てぃらむんや、自くるし、うちなあぐちし文章書ちゃあに、()しいびちいやん。

うちなあぐち日常語(にちじゅうぐ)とぅそおる人んちゃあん()あち、書記(しゅち)言語にちいてえ、いっそうから日本語どぅなとおる。生活(しいくぁち)レベル(商用文(しょうゆうぶん)卒業(しちじょう)論文(るんぶん)入社(にゅうしゃ)試験(しきん)行事(じゅうじ)案内(あんねえ)んでえ)うとおてえ、なあ、うちなあぐち書記語ぬふぇえりんちゅぬまどお、むさっとぅ無えらん。やしが、文化(ぶんくぁ)芸能(じいのう)んでえじえ、うちなあぐち書記語使てぃん、生活ぬ(さまた)ぎとぅないる事お無えらん。いるわきてぃ、随筆(じいひち)とぅか小説(しゅうしち)んでえぬ散文(さんぶん)活動(くぁちどう)やれえ、書ちゅる人ぬ自由(じゆう)どぅやる。近頃(ちかぐる)お、普通(ふつう)ぬあんまあたあやてぃん、「携帯(きいてえ)小説」書ちゅる(ゆう)なとおん。前述(さちい)ちゃる通い、ホームページとぅかブログんでやれえ(たあ)がん散文活動なゆん。うちなあぐち書ちくとぅばぬ(ふぃる)がてぃ行ちいどぅんせえ、後々(あとぅあと)お、なんくるまる平生(ふぃいじい)ぬ生活んじん、使ありいんねえなゆる事んあら筈やん。

いがろうや、日本語し文章書ちゅるばす、日本語ぬ継承ぬ事考えとおる訳えあらん。うぬ事お(しゅ)外国(ぐぁいくく)語んじん()ぬむんやん。うちなあぐち散文ぬ実践ぬん「継承(きいしゅう)運動(うんどう)」んでぃゆる考えから解放(くぁいほう)さってぃ、「(あし)び」とぅなたるばすどぅ、(じゅん)にぬ継承活動(くぁちどう)とぅないる。

 

17.うちなあぐちとぅ標準語―マスター語

 国民統(くくみんとぅう)(しい)すぬ必要(ひちゆう)から国え公用語(くうゆうぐ)んでえ標準語(ひゅうじゅんぐ)要用(いりゆう)やん。あんせえ、国家持(くっくぁむ)たん民族語(みんずくぐ)ぬばあや、標準語や要用()えらんむんやがやあ。文学(ぶんぐぁく)とぅか論文(るんぶん)んでえや、強いてぃまでぃ標準語やあらんてぃん()むん。やしが、民族語ちゃんとぅ継承(きいしゅう)すぬ(たみ)言語(ぎんぐ)教育(ちょういく)さんでえならんむんどぅんやれえ、文法(ぶんぷう)うりに書ちくとぅばあ、いいくる標準化さんでえ、やま()りゆん。なあふぃん不都合(ふちごう)(くとぅ)ぬあん。公立(くうりち)学校(ぐぁっこう)んかいやシマぬかあじ方言(ふうぎん)(ちが)ゆくとぅ、(てぃい)ちぬクラスんじ複数(ふくすう)ぬ方言習あさんでえならんなゆん。

うちなあぐちんかい「標準語」ぬ要用やみ、あらにんでぃ()る事にちいてぃ、議論(じるん)すぬ事お、うちなあぐちにちいてぃ、なあふぃん深く(かんげ)えゆる事んかいないるむぬやくとぅ、うわあば事おあらん。

諸外国(しゅぐぁいくく)うとおてぃぬ標準語ぬ()わみ(みち)様々(さまざま)やん。ドイツ語ぬ標準語や、ルターぬドイツ語訳聖書(しいしゅ)基礎(ちす)んかいなたんでぃぬ事やい、フランス語や、パリぬ(いち)地方(ちふう)ぬ方言がモデルとぅなたんでぃぬ事やん。イタリアやローマ帝国(てぃいくく)本拠地(ふんちょち)やくとぅ、うぬ標準語や、ラテン語モデルとぅしん()たさる(はじ)やしが、トスカーナ地方ぬフィレンツェぬ方言がモデルとぅなたんでぃぬ事やん。中国(ちゅうぐく)んじえ16世紀(じゅうるくしいち)ぐるまでえ、南京(なんちん)官話(くぁんわ)(南京ぬ方言)が公用語やたしが、清ぬ北京(ぴちん)首都(しゅとぅ)とぅさる(あと)お、支配(しへえ)民族(みんずく)満州語(まんしゅうぐ)やあらな、北京官話ゆ公用語とぅさん。韓国(くぁんくく)んじえ、(くく)立国(りちくく)学院(ぐぁくいん)にゆてぃ標準語ぬ()わみらっとおん。日本語ぬ標準語や、江戸(いどぅ)時代(じでえ)後期(くうち)までえ(じゅん)ねえ、京都弁(ちょうとぅびん)やたんでぃぬ(しち)ぬあん。明治後(みいじあと)お、国家的(くっくぁてぃち)営為(いいい)とぅしち、東京弁(とうちょうびん)モデルとぅせえる標準語ぬ(ちゅく)らったん。戦後(いくさあと)お国ぬすぬ標準語政策(しいさく)(うくな)わりてえ(をぅ)らんしが、実質的(じっしちてぃち)ねえ標準語ぬしいなさっとおん。

 むしか、うちなあぐちにん標準語ぬ要用やんでぃち考えゆるむんどぅんやれえ、為政者(いしいしゃ)ぬ都合し決わみらってぃ()ゃる諸外国ぬばあとぅ違てぃ、@言語教育ぬ(たみ)びけんなかい決わみゆる事とぅさあに、あんしまたA今、(むっとぅ)(ふぃる)使(ちか)あらっとおる地域語(ちいちぐ)ゆ標準語とぅしいねえ、(うふ)くぬ地域(ちいち)(とぅ)い受きい易っさる(はじ)やん。あんどぅんやれえ、うちなあぐちぬ標準語や決わみい易っさるむぬやんでぃ(うま)ありいん。

うちなあぐちにん標準語ぬ要用やんでぃち成たるばあや、(じん)地域にとぅてぃ最んましやしえ、那覇(なあふぁ)語くうとぅ()えらんでぃ思ありいん。しょうしょうとぅ、那覇語系や首里(しゅい)くうとぅ、いいくる本島(ふんとぅう)中南部(ちゅうなんぶ)んかい広がとおん。(めえ)や首里語あ公用語やんでぃさっとおたるばすんあたしが、公用語とぅ共通語(ちょうつうぐ)とおまた(びつ)どぅやる。地方(ちふう)んじえ、首里語や屋取(やあどぅい)部落(ぶらく)くうとお、使(ちか)あらってえ(をぅ)らな、(けえ)てえ、官憲(かんきん)くとぅばとぅさあい、くしさっとおたん。沖縄人(うちなあんちゅ)お、(たげ)えに話し相手(ええてぃ)ぬくとぅばんかい合あさあ合あさあそおるうちなかい、後ぬうんじゅみ、マチガタ(那覇語(なあふぁぐ)(きい))ムニイぬ(ふぃる)がてぃ()じゃるむぬやん。いいくるマスコミんじ使あらっとおる「はいさい」、「ゆいまある」、「ゆんたくひんたく」[35]んでえん、大概(てえげえ)那覇語系(なあふぁぐきい)どぅやる。廃藩(へえはん)置県(ちきん)(ちわ)なかい職失(しくちうし)たる首里(しゅい)ぬゆかっちゅうぬ(はじみ)みたる芝居(しばい)くとぅばぬんちょおん、結果的(ちっかてぃち)ねえ那覇語とぅ混んちょおん。御万人(うまんちゅ)にとぅてえ、那覇語ぬる共通語やたる事ぬ証拠(すうく)やん。また首里語ん那覇語とぅ、あんすか違とおるむのおあらな、大局(てえちく)(てぃち)ねえ首里語[36]ん那覇語系どぅやる。

やしが、沖縄人(うちなあんちゅ)(うふ)くお、()まりジマぬくとぅば、じまま、(うみ)がなさそおん。うちなあぐち標準語立てぃゆんでぃしえ、(むちか)さるむんがやらん分からん。ゆうさんでえ「標準語」お()たてぃん()むんでぃゆる(くとぅ)までぃん(かんげ)えらんでえならん(はじ)やん。うぬばすねえ、民族語(みんずくぐ)教育(ちょういく)や、学校(ぐぁっこう)まんぐらぬ方言(ふうぎん)地域(ちいち)(ちゅ)んちゃあから習ゆる(くとぅ)んかいないがすらん分からん。やしが、如何(ちゃ)(ゆう)な事んかいならわん、「マスター(ばん)教科書(ちょうかしゅ)標準語(ひゅうじゅんぐ)とお(びち))」とぅうぬ「地域(ちいち)修正版(しゅうしいばん)」や要用(いりゆう)ないがすらん分からん。「マスター版教科書」んでえ、複数(ふくすう)方言(ふうぎん)(てぃい)ちぬ書記(しゅち)言語(ぎんぐ)さあに書ちぇえる教科書ぬ(くとぅ)どぅ()る。うちなあぐちぬばあや、方言ぬ(ちげ)えみえ、大概(てえげえ)抑揚(ゆくゆう)ぬ違えみどぅやくとぅ、「マスター版教科書」(ちゅく)てぃん()むんでぃ(うま)ありいん。やしが、(てぃい)ちぬクラスんじシマぬかあじぬ方言(抑揚)習あさんでえならんでぃゆる不都合(ふちごう)(ぬく)ゆん。

 

とぅずみに

琉球(るうちゅう)や、歴史(りちし)()うらてぃ、言語(ぎんぐ)奪うらってぃ、(じい)ん奪うらてぃ、あんし伝統的(でぃんとぅうてぃち)生活(しいくぁち)様式(ゆうしち)(くう)さったん。やしが、沖縄人(うちなあんちゅ)お、(たましい)とぅ(とぅむ)(なま)ちてきぃ生ちち(をぅ)ん。伝統文化(ぶんくぁ)あ受ち()がってぃ、「詩ぬ国・歌ぬ島・(をどぅい)いぬ(さとぅ)」んでぃち言ゃっとおん。あんそおる芸能(じいのう)文化(ぶんくぁ)(にい)ぐいんかいあしえ、うちなあぐちどぅやる。

歴史んでぃしえ、後世(くうしい)(たみ)なかいどぅある。いがろうや、奪うっらたる歴史にちいてぃ、後世んかいまっとうばに(ちてえ)えゆる義務(じむ)ぬあん。

歴史認識(にんしち)とぅ民族(みんずく)意識(いしき)とぅ言語(ぎんぐ)認識とお一本(いっぷん)(しん)(ゐい)んかいどぅある。

「歴史認識やまっとおばに」んでぃゆる言葉ぬあん。(いくさ)戦争(しんそう)犯罪(はんぜえ)ん、またん()くちぇえならんでぃちょおる意味とぅさあに使(ちか)あらりいる(くとぅ)(うふ)さん。民族ぬ言語まっとおばに継じ行かなんでぃぬ意味とぅしん使あらりいん。

過去(かく)ぬ歴史ゆ明かがらしいねえ、いがろうや、(とぅ)(けえ)しびちいやるむんゆ()じゅる(くとぅ)ぬなゆん。

(どぅう)なあたあくとぅば使ゆる事にちいてぃ、何恐(ぬううとぅ)るさし、(ぬう)(はじ)じかさすぬ事ぬあが。(うみ)()ゆる事んちょおん、さんあれえ、奇跡(ちしち)え、(かんな)()きゆん。

琉球ぬ歴史ぬまたん再開(せえくぁい)すぬ(ふぃい)()ゅうる(はじ)やん。

以上

 

注:漢音のルビについて

 琉球漢音には多くのブレが確認される。原因は日本語の激しい影響である。ここでは、日本漢音でも、明らかに慣用的になっている漢音もの[37]についてはそのまま使用し、それ以外は可能な限り、伝統的琉球漢音を使用している積もりである。文献上、伝統的漢音と日本漢音の両者が存在する場合は、数的には日本漢音が優勢[38]である場合でも、ルールを単純にする為に琉球漢音を使用した。琉球漢音と日本漢音を混在させると、却って読者を混乱させるからである。

 文献において、日本漢音が定着している漢音であるにも拘らず、この論文において琉球漢音が使用されている部分があるとすれば、私の勉強不足である。



注釈一覧

[1] 琉球語ん組踊創作時代に書ちくとぅばぬなとおたしが、廃藩置県ぬ後おあったに衰いたん。

[2] 「琉球語が(略)消滅する日もさう遠くはあるまい」「この瀕死の方言」等。(論考『方言と国語政策』)。

[3] 戦前迄ぬ「標準語励行運動」や役ん立たな、戦後ぬ「方言禁止運動」ぬる危機早みたる。

[4] 初代県令鍋島直彬や、「言語風俗ヲシテ本州ト同一ナラシムルハ(略)」んでぃち、二代目県令上杉茂憲や、「其言語ヲシテ内地ト通同ナラシメ(略)」んでぃち言ちゃん。『沖縄史料集成』(green life社)

[5] 大野晋にゆいねえ、弥生式文化とぅ共に朝鮮南部ぬ言語ぬ持ち込まったん。『日本国家の起源』(井上光貞)

[6] 弥生世後期んじあたんでぃさっとおる大戦。複数ぬ中国史書んかい書かっとおんでぃぬ事。

[7] 「アマミキヨ」や文語。浜比嘉島んかいや「アマミチュー」(アマミ人)んでぃち口語さあい(ちて)てえらっとおん。ヤマト政権以来ぬ古代水軍ぬ海人部(あまべ)がやら。今帰仁、勝連、知念んでえんかい来琉伝説ぬあん。複数船団しが来ゃらあ。

[8] 平家南走説や琉球弧全域んかいあん。壇ノ浦海戦んじ負きたる平家側水軍ぬうち、1300人余ぬ残兵乗してえる70余艘ぬ関門海峡西から南走さあに、奄美諸島から琉球北部んかい逃んぎやい、琉球弧ぬあまくまんじ築城さんでぃしいねえ、奄美群島合あち琉球んかいあぬ130余いぬ城ぬ13〜14世紀まんぐるんじ集中的に造らったる行成とぅふちゃあゆん。アジ(氏、按司)ぬ呼称や落ち武者たあぬ名残いがやら。参考文献『あゝ北山王国 南走平家の裔たち』(親川光繁)。

[9] 琉球語んかいや、万葉語、南九州語、関西弁、江戸弁んでえぬ混んちょん。形容動詞んかい対応すぬ琉球語ぬ「やん」うりに形容詞んでえうとおてぃ、サ行がハ行んかいけえ変わとおる与勝物言いや、関西弁とぅ良う似ちょおん。

[10] 伊藤俊幸訳免疫グロブリンGの標識遺伝子に基づく日本民族の起源」松本秀雄著から。

[11] 様式化(確立)さっとおる書記言語持ちゆうさんでえ、@使用ぬ限定さりいん、A資料化しいぐりさんあい使えぐりさん、B優先度ぬ書記言語持っちょおる他ぬ言語んかい移ゆん、C言語コンプレックス持っちいやっさん、んでえぬ理由から化石言語んかい成い易っさんでぃ思ありいん。

[12] うちなあぐちえ戦後ヤクザぬ「共通語」やたん。本土ヤクザとぅ交渉すぬばあや通事ん居らんでえならんたん。裁判うとおてぃんやまとぅぐちぬ分からん幹部ん居たん。参考『沖縄誰にも書かれたくなかった戦後史』(佐野眞一著)。

[13] 戦前ぬ標準語励行運動ぬ大理由:皇民化しいなする事。劣等感ぬ克服。県民ぬ徴兵さったるばすとぅか外国んかい移民すぬばす、くとぅばに不自由しみらん為等。

[14] 復帰前、沖縄人お米兵ぬ犯罪とぅか事故んかいや無権利状態やたん。事犯や大概MPにゆてぃ片付きらってぃ、加害米兵や無罪あらんでえ軽罰どぅないたる。うん如る無権利状態が1970年ぬコザ騒乱引ち起くち、復帰早めみたるむぬやん。

[15] 三山割拠時代ぬあい、統一後ん内乱ぬあたん。明治期んじえ親中派とぅ新日派があらげえとおたん。

[16] 反対勢力や日本復帰しいねえ「芋とぅ裸足ぬ生活んかい戻ゆん」でぃち叫びたん(芋裸足論)。

[17] 「日本人や単一民族」んでぃち言ちゃる政府要人や、中曽根総理大臣(1986年)、伊吹文科相(2007年)、中山国土交通相2008年)たあ。

[18] 倭王武(日本国王雄略)ぬ宋んかい送たる上表文んかいや征服せえる国とぅしち、「毛人五十五国」「西夷六十六国」でぃぬ記述ぬあん(『日本国家の起源』)。「国」え今ぬ感覚せえ部族ぬ事がやら。ミトコンドリアDNA分析なかいん、中国人んでえ韓国人んでえんじえ自国人固有タイプぬ持っちょおる割合がそれぞれ50.6%、40.6%なのに対し、日本本州人ぬばあや、一位や「中国んかい多さるタイプ」なてぃ25.8%、2位が「韓国んかい多さるタイプ」24.2%、3位が「集団ぬんかい多さるタイプ」21%、4位が「沖縄んかい多さるタイプ」16.1%、5位が「アイヌぬ人んちゃあんかい多さるタイプ」8.1%、「日本人固有ぬタイプ」や、ただぬ4.8%どぅやる。他ぬアジア人に比びてぃでえじな雑種やん。NHKスペシャル「日本人のルールを探れ」から。

[19] 「中山世」とぅか「中山世譜」や、薩摩んかい遠慮さあに編纂さっとおるむんなやい、史実とぅせえ、実にんでえ考えらってえ居らん。

[20] NHK番組、「ニッポンの教養、人類よ声を聴け」から。

[21] 「あちゃ+あ」や、二語からないしが、「あちゃー」でぃち表記しいねえ、前語ぬ語尾とぅ次語ぬけえたっくゎとおる為なかい、語構成ぬ説明やならん。

[22] 「おーい」や「おい」ぬ臨時伸ばし音なてぃ非固有音。辞書んかいや固有音ぬ「おい」びけんがる載とおる。

[23] 口語んじえヤ系係助詞や前語尾音にゆてぃ使え分きらりいしが、文語んじえ、大概や「や」使ゆん。参考:拙書『実践うちなあぐち教本』。「わんや」ぬ口語や「わんねえ」、「わのお」等。

[24] 散文ぬ歴史ぬ長さる日本語文や古音表記残ちょおるむんやしが、琉球語や散文ぬ歴史ぬ浅さくとぅ、日本語ねえぬ古語やいきらさん。口語し文章書ちゅる事ゆ「言文一致」んでぃ言るむんどぅんやれえ、琉球語ぬばあや、日本古語借とおる部分くうとお、組踊時代から「言文一致」やん。

[25] うちなあぬ黄金言葉。優り者やいがなあ、まる平生や人前んじえ、優りとおる所見しらん人。

[26] 言論統制強みてぃ行ちゅる軍国日本ぬ中んじ、宮武外骨や、日本ぬんかいん多種多様な思想ぬあたる事、後世んかい残する為、全国歩っち古新聞集みたん。今ん東京大学付属施設んかい保管さっとおん。また、現日本国憲法ぬ草案作ええんかいや日本人政治家とぅか憲法学者ん多く関がなたん。

[27] 読谷村、西原町、宮古島市、西表(竹富町)、南風原町んでえ。

[28] 北谷くとぅば、今帰仁くとぅば、宮古くとぅば、石川くとぅば、新垣(糸満市)くとぅばんでえ。

[29] 「よなぐすくの民話」んでえ。多くお旧与那城町くとぅばし収録さっとおん。

[30] 文明国語中んじ音素ぬ一番いきらさる日本語びけんが機械的操作んかいふさとおんでぃ言ゃっとおん。参考『日本語の本質』(司馬遼太郎対話選集2)

[31] 直音や1文字、拗音や普通文字とぅ小文字ぬ2文字。

[32] 例:実音「テレベー、ンダン」ゆ「テレビえ、見だん」でぃち書記。「テレビ」ぬ語形崩さん表記。

[33] 文中ぬ強調助詞「どぅ」、「る」受きてぃ、述語とぅなゆる用言、連体形し結ぶん。例、「くりどぅちゅらさる」

[34] 例れえ、「先生」、「天気」や、琉球漢音しえ、「シンシイ」、「ティンチ」とぅなゆん。

[35] 「はいさい」や首里語んかいや無えらな、「ゆいまある」、「なんくるないさ」、「ゆんたくひんたく」や首里語なかいや、「いいまある」、「なんくるなゆさ」、「ゆんたくふぃんたく」。

[36] 那覇語系ぬ「飲むん」、「すん」や首里語んじえ、「飲ぬん」、「しゅん」でぃちなゆん。うりかあが両語ぬ特徴的違えみやん。また、首里語ぬf音や那覇語系んじえ大概h音ぬんかい変わゆしがf音やる所んまんどおん。那覇語ぬ一部んかいや、他にん首里語とぅ似ちょおる音使えんあん。「あやあ」、「たありい」んでえぬ士族語彙や外んちゃん。

[37] 例:単音の場合は、琉球漢音は比較的守られているが、学校(ぐぁっこう)衣装(いしょう)などのように特にoを伴う語尾の二重母音や拗音などの場合は、日本漢音のまま一部が使用されて慣用化している。

[38] 琉球漢音と日本観音の混在例として、証拠(しゅうく)(琉球漢音)、証書(しょうしょ)(日本漢音)などがある。