南謡出版ぬ出版物













  組踊にある漢語        組踊にある和語

組踊んかい有ぬ漢語(伊波普猷編ぬ『琉球戯曲集』から)

 昔ぬ琉球ぬ作家達が如何な漢語(うにいぬ外来語)使てぃが居たらあ、見ちなあびら。うったあ漢語お、『沖縄語辞典』んかい載しらってぃ、沖縄語扱え成とおしん、あい、無えんしんあいびいしが、何やらわん、他所(漢語んで)からやてぃん、語彙補ゆる事お、言語ぬ本能(作家にとぅてぃ、必じ、入り要なくとぅ)どぅやいびいくとぅ、「かんそおる漢語使いねえ、うちなあぐちえ、あらんないん」んでぃちぬくじい物言いやあたやびらん。漢語使いえぬ締め切りえ、無えやびらんくとぅ、今からん、ゆくん、うみはまてぃ、使ならやあサイ。やしが、昔からぬ言葉ぬあれえ、成れえ、うり使ゆしどぅましやいびいる。
 漢語ぬ他なかい、作家達や、大和口ん、ちゃっさきいなあ使とおいびいたしが、うったあん、何時かあ、くぬホームページんかい紹介する胆合えやいびいくとぅ、う待ちうたびみせいびり。/吉屋

世界【しけ】(護佐丸敵討、忠士身替の巻、銘刈子、孝行之巻、大川敵討、手水の縁)
浮世【うちゆ】(護佐丸敵討、忠士身替の巻、銘刈子、孝行之巻、大川敵討、花売の縁)
油断【ゆだん】(護佐丸敵討、忠士身替の巻、孝行之巻、万歳敵討)
自由【じゆ】(執心鐘入、忠士身替の巻、銘刈子、大川敵討、手水の縁、万歳敵討)
地獄【じぐく】(執心鐘入)
麁相【すそ】(執心鐘入、孝行之巻、(物狂)
慈悲【じふぃ】(執心鐘入、大川敵討、大城崩、女物狂)
法度【はとぅ】(執心鐘入)
推参【しさん】(執心鐘入、大川敵討、大城崩)
不審【ふしん】(執心鐘入、大川敵討)
法力【ほうりち】(執心鐘入)
嫡子【ちゃくし】(忠士身替の巻、万歳敵討)
数十艘【すうじっそう】(忠士身替の巻)
五六百人【ぐるっぴゃくにん】(忠士身替の巻)
船路【ふなじ】(忠士身替の巻)
御主人【ぐしゅじん】(忠士身替の巻)
忠節【ちゅうしち】(忠士身替の巻)
分別【ふんびち】(忠士身替の巻、大川敵討、女物狂)
義理【じり】(忠士身替の巻、大川敵討、手水の縁)
左京【さちょう】(忠士身替の巻)
極楽【ぐくらく】(忠士身替の巻、大川敵討)
談合【だんごう】(忠士身替の巻、大川敵討、女物狂)
降参【こうさん】(忠士身替の巻、大川敵討)
臆病【うくびょう】(忠士身替の巻)
元祖【ぐゎんす】(忠士身替の巻)
秘蔵【ふぃぞう】(忠士身替の巻)
落着【らくちゃく】(忠士身替の巻)
内通【ねつう】(忠士身替の巻)
門番【むんばん】(忠士身替の巻)
廻文【くゎいぶん】(忠士身替の巻)
野心【やしん】(忠士身替の巻、大川敵討)
百姓【ひゃくしょ】(忠士身替の巻、大城崩)
籠舎【るうしゃ】(忠士身替の巻)
褒美【ふうび】(忠士身替の巻、花売の縁)
果報【かふ】(忠士身替の巻、孝行之巻、大川敵討、花売の縁)
奉公【ふうくう】(忠士身替の巻)
人数【にんじゅ】(忠士身替の巻、大川敵討)
最期【さいぐ】(忠士身替の巻)
謀反【むふん】(忠士身替の巻、大川敵討)
軍勢【ぐんじ】(忠士身替の巻)
格護【かくぐ】(忠士身替の巻、大川敵討、大城崩)琉製漢語?
残念【ざんにん】(忠士身替の巻)
一期【いちぐ】(銘刈子、花売の縁)
無常【むじょ】(孝行之巻、万歳敵討)
後生【ぐしょう】(孝行之巻、女物狂)
天道【てぃんとおん】(孝行之巻)
畜生【ちくしょ】(孝行之巻、(大川敵討))
加勢【かし】(大川敵討)
大勢【てえし】(大川敵討、花売の縁)
無勢【ぶし】(大川敵討)
人間【にんじん】(大川敵討、花売の縁)
主人【しゅじん】(大川敵討)
恥辱【ちじゅく】(大川敵討)
大事【でじ】(大川敵討、女物狂)
本意【ふんい】(大川敵討)
返答【ふぃんとう】(大川敵討)
白状【はくじょう】(大川敵討)
面目【みんむく】(大川敵討)
題目【でえむく】(大川敵討)
因果【いんぐゎ】(大川敵討)
時節【じしち】(大川敵討)
同意【どうい】(大川敵討)
分才【ぶんざい】(大川敵討)
合点【がってぃん】(大川敵討)
天運【てぃんうん】(大川敵討)
不勘【ふかん】(大川敵討)
返事【ふぃじ】(大川敵討、手水の縁)
真実【しんじち】(大川敵討)
難儀【なんじ】(大川敵討)
正直【しょうじち】(大川敵討)
短気【たんち】(大川敵討)
五韻【ぐいん】(大川敵討)
思案【しあん】(大川敵討)

根気【くんち】(大川敵討)
堪忍【かんにん】(大川敵討)
斟酌【しんしゃく】(大川敵討)
三年忌【さんにんち】(大川敵討)
道中【どうちゅう】(大川敵討)
休息【ちゅうすく】(大川敵討)
宝蔵【ふぞう】(大川敵討)
往来【をおれえ】(大川敵討、花売の縁)
肝要【かんにゅう】(大川敵討)
重宝【ちょうふう】(大川敵討)
兄弟【ちょうでえ】(大川敵討、万歳敵討)
火急【くゎちゅう】(大川敵討)
一方【いっぽう】(大川敵討)
意見【いちん】(大川敵討)
用心【ゆうしん】(大川敵討)
威勢【いし】(大川敵討)
武運【ぶうん】(大川敵討)
中途【ちゅうとぅ】(大川敵討)
警固【ちぐ】(大川敵討)
双方【そうほう】(大川敵討)
嶮岨【ちんす】(大川敵討)
案内【あんねえ】(大川敵討)
半里【はんり】(大川敵討)
朋輩【ほうべえ】(大川敵討)
不和【ふわ】(大川敵討)
恩義【うんじ】(大川敵討)
忘却【ぼうちゃく】(大川敵討)
神妙【しんみょう】(大川敵討)
世間【しきん】(大城崩、手水の縁)
福人【ふくにん】(大城崩)
道具【どうぐ】(大城崩)
二階【にけ】(大城崩)
近方【ちんぼう】(大城崩)
財物【ぜえむち】(大城崩)
人形【にんじょう】(女物狂)
式目【しちむく】(女物狂)
衣裳【いしょう】(女物狂)
不足【ふすく】(花売の縁)
城門【じょうむん】(花売の縁)
四方【しほう】(花売の縁)
名将【みしょう】(花売の縁)
様体【ようたい】(花売の縁)
当歳【とうせえ】(花売の縁)
四方【しほう】(花売の縁)
滞留【てえりゅう】(花売の縁)
苦労【くろう】(花売の縁)
上分【じょうぶ】(花売の縁)
困窮【くんちゅう】(花売の縁)
裕福【ゆうふく】(花売の縁)
因果【いんぐゎ】(花売の縁)
無心【むしん】(花売の縁)
風流【ふうりゅう】(花売の縁)
諸廻【しゅくぇえ】(花売の縁)
船所【しんじゅ】(花売の縁)
商売人【しょうべえにん】(花売の縁)
諸方【しゅほう】(花売の縁)
委細【いせえ】(花売の縁)
諸人【しゅにん】(花売の縁)
諸船【しゅしん】(花売の縁)
長春【ちょうしゅん】(花売の縁)
法印【ほいん】(花売の縁)
遺恨【ゐくん】(万歳敵討)
定燈【じょうとぅう】(万歳敵討)
出家【しゅち】(万歳敵討)
討論【とうるん】(万歳敵討)
高天【こうてぃん】(万歳敵討)
旻天【びんてぃん】(万歳敵討)
滄海【そうかい】(万歳敵討)
念力【にんりき】(万歳敵討)
孝行【こうこう】(万歳敵討)
乱心【らんしん】(万歳敵討)
講釈【こうしゃく】(万歳敵討)
見物【ちんぶち】(万歳敵討)
最中【せえちゅう】(万歳敵討)
金欄【ちんだん】(万歳敵討)
心地【しんち】(忠士身替の巻、銘刈子、大川敵討、手水の縁)

    組踊んかい有ぬ大和語(伊波普猷編ぬ『琉球戯曲集』から) 

【註1】沖縄語や、かあま昔から、大和語とぅいぬ語やしんあい、また、薩摩占領時代んじ、大和んかい船遣するうちなかい、和語ぬ沖縄語化そおる語ん有いびいくとぅ、くまんかい紹介うんぬきとおる語彙が、じゅんに、和語彙やみ、あらにんでぃ言る事お、今成てぃ、見じいねえ、うぬ境や、うむよう成てぃ、定み苦さるむんやいびいしが、明(あち)らかに、うぬばす和語から取い入りたんでぃ、考えらりいしびけん、載しやびたん。(『沖縄語辞典』んじえ、「文語」とぅさあい、「沖縄語」扱え成とおるむぬんあいびいしが、輸入語とぅさあい、誰がん、考えぎさるむん(一般的な許容範囲)とぅさびたん。やしが、組踊んかいや、なあふぃん大和風儀ぬ言葉ぬ予備軍や、まんどおいびいん。
【註2】組踊んかいや、「しばて置かうや」「急がう」「起さう」「見だうや」んでえぬ、言い様ぬあいびいん。うったあや日本語ぬ未然形(志向形)あらんがやあ、んでぃ思ゆる人ん居る筈やいびいしが、うったあや、糸満言葉とお、いぬむん、「〜置き」「急ぎ」「起し」「見でぃ」ぬ如し、昔ぬ命令形ぬ意味どぅやいびいる、大和むにいやあいびらん。
【註3】また、「〜は」「〜を」でえぬ、大和語敵助詞使えんあてぃ、じゅんにやれえ、大和むにいとぅし、下ぬ欄んかい載し欲しゃんあいびいしが、組踊ぬ特徴とぅし、「おもろさうし」んでえぬ言葉使え(言い回し)ん、いいくる使あらっとおいびいくとぅ、うかっとう、大和物言い扱えやないびらん。何やらわん、いざとぅないねえ、ありんくりん吟味さんでえないびらんくとぅ、定みぐるさるびいん(吉屋)。

いいくる、沖縄語化そおるむんぬまんどおしが、沖縄語んかい直さりいる所お、直ちんちゃん。

■護佐丸敵討
母【fafa】あやあ(ゆかっちゅぬばす)
母親【fafauya】あやあ
一つ【fituchi】てぃいち
人【futu】っちゅ
知ったか【sittaka】わかたみ。しっちゃみ。
逃すまい【nugasumai】ふぃんがさん。ふぃんがちないみ。
父親【chichiuya】たありい(庶民や、すう)

■執心鐘入
ことに【kutuni】かわてぃ
一夜【ichiya】ちゅゆる
留守【rusu】家番
をとこ【wotoko】ゐきが
女【wunna】ゐなぐ
いと【itu】いっぺえ、でえじな
終に【tsinyi】なあ
命【inuchi】ぬち
是非【jifi】かんなじ、しいてぃん
たぐい【tagui】ぐとおる
早く逃げれ【hayakunigiri】ふぇえく、ふぃんぎり

■忠士身替の巻
逃走て【nugefashiti】走合えし、ふぃんぎて〜
勢揃ひ【shizuri】むるすらあち
父親【chichiuya】
母親【fafauya】
母【fafa】
船路【funaji】
身替【migawayi】
御志【ukukuruzashi】う考え。う望み
人心【futugukuru】ちゅぬちむ、ちゅぬくくる、ちゅぬかんげえ
纔【wazika】いふぃ(ぐゎあ)、くうてん(ぐゎあ)
是非【jifi】かんなじ、しいてぃ
曾て【katti】めえに、めえや、さちい、さちいや
命【inuchi】ぬち
真実【shinjitsi】誠。じゅん
絶えて【tayuti】無えんなてぃ。居らんなてぃ
味方より外に【mikata yuyi fuka nyi】
手の内【ti nu uchi】考え(とおる事)
道筋【michi shiji】
御腹立【ufaradachi】
暫し【shibashi】いっとぅちゃ、ちゅてえ
秘蔵【fizoo】かじみたるむぬ
命さへ【inuchi sayi】ぬちんちょうん、ぬちでんし
生殺し【namagurushi】いちみままくるするくとぅ
御取次【utuyitsiji】
馬鹿男【baka wutuku】ふりゐきが
奢り者【ugurimun】ちゅうせえ者。いばやあ
積る【tsimuru】まじでえる
生楽【ichiraku】
生責【ichijimi】
口惜しや残念【kuchuushiya zannin】(うちなあぐち化)
実不実尋ね【jitsifujitsi tajini】(うちなあぐち化)
*『忠士身替の巻』ぬ「道行口説」え、初みぬ「扨も移ればかわりゆく、人の心ぞ〜わにやま潮路にわけいれば」までぃえ、まるまるうとぅ大和語なとおいびいん。

隠さずに【kakusazini】くゎっくゎさんようい
似た事【nitakutu】似ちょおる事
差迫て【sashishimati】
海よりも深く【umi yuyin fukaku】海やかん深く
山よりも【yama yuyin】山やかん
鬨の声【tichi nu kwi】
負け色【maki iru】
行迫まて【ichisimati】

■銘刈子
髪【kami】からじ
母親【fafauya】
母【fafa】

■孝行之巻
父親【chichiuya】
母【fafa】
孝の道【koo nu michi】
父【chichi】

■大川敵討
腹立【faradachi】しゃく
俄事【nyiwaka gutu】あったな事。ちゅうちゃんな事
有難さ【arigatasa】みはい
憂目【uchimi】
夢現ごころ【imi utsitsi gukuru】
念願【nyingwan】ぬずみ
身に替へて【mi ni keeti】
乱れ世【midari yu】
母親【fafauya】
生捕【ichidu】
末代の恥辱【matsidee nu chijuku】
面目【minmuku】
事荒く【kutuaraku】
仕損じの基【shisunji nu mutuyi】
志【kukuruzashi】ぬずみ。考え
掛引【kakifichi】
取廻し廻し【tuimawashimawashi】
要所【kanamidukuru】(うちなあぐち化)
無作法【busafu】
隠さずに【kakusazi ni】くゎっくゎさんようい
正直【shoojichi】まっとおば
悪生【akujoo】
塵芥ごころ【chiriakura gukuru】
疲れゆる【tsikariyuru】
こころ暗闇に【kukuru kurayami ni】兎角【tukaku】
御吊(「吊」や「弔」の誤字)【utumuree】だび。そうしち。すうこう(「焼香」んかい対応する語やしが、葬式ぬ意味んかいん使あっとおん)
御取込の最中【utuyikumi nu seechuu】〜ぬくとぅなかい いちゅなさるなあか。
もっての外【mutti nu fuka】
終に【tsinyi】とおなてぃ
相も【ayin 】
以ての外【mutti nu huka】
にが笑い【nyigawaree】んざ笑え
身の上【mi nu wi】
よかッ人か、百姓か【yukatchu ka hyakushoo ka】ゆかっ人どぅやるい、百姓どぅやるい。
母親【fafauya】
稲妻【inazima】ふぃでぃい。
御志【ukukuruzasi】うかんげえ。うぬずみ。



■女物狂
わらべの来る【warabi nu kuru】わらびぬ来ゅうん
父親【chichiuya】
母親【fafauya】
小僧共よ【kuzuu dumu yoo】小僧たあよ
男【wutuku】ゐきが
いとしさ【itushisa】

■花売の縁
御大名方の御乳母【udeemyoo gata nu uchibu】
御檀那【udanna】夫
母親【fafauya】
父親【chichiuya】
芸能【jinuu】
御休み【uyasimi】(うちなあぐち化)ゆくい
一踊【futu wuduri】
いづれも【izirimu】誰ん
老いも若きも【uyi mu wakachi mu】年寄いん若あん。
日比手なれし【fuguru ti narishi】
大勢群集る中に【teesi muragaru naka ni】
人無き所を【fitu nachi tukuru wu】ちゅぬ居らん所
行くが如くに【yuku ga gutuku ni】行ちゅるぐとう
飛ぶが如くに【tubu ga gutuku ni】飛ぶるぐとぅ
四方にさっと【sifoo nyi sattu】ゆむんかい、さあらない。しるくちまあくちんかい、さあらない。
引きよ退く【fichi yu shirizuku】
天晴れ希代の名将【appari chidee nu mishoo】
神か、仏か【kami ka futuki ka】神がやら、仏がやら。
見つめても【mitsimitin】見いちきてぃん
薪木【tachigi】たむん
*歌「せんするぶし」ぬ「入船出船絶え間無く〜山吹長春風車」までぃや大和風儀。
夢現ごころ【yumi utsirsi gukuru】

■万歳敵討
父親【chichiuya】
母【fafa】
母親【fafauya】
至極差迫て【shiguku sashisimati】
父母【bumu】あやあたありい
討論するに【toorun suru nyi】
高天計りなし【kootin hakari nashi】旻天窮りなし【bitin chiwamari nashi】
名折れ【nawuri】
歴々【richirichi】うさむれえ。ゆかっちゅ
海士の釣船【ama nu tsiribuni】
見まがふ【mimagoo】見ばっぺえゆん